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2017.08.01

第32回 「最新型」について

 プロの対局の解説を聞いていると、しばしば「最新型」というワードを耳にすることがあります。今回はこの「最新型」について考えてみたいと思います。
 まず「最新型」という言葉の定義から始めると「一定数以上の棋士が注目している戦型において、その中でも比較的新しく流行しつつある指し方」という意味で多くの方が使っているように感じます。というとややこしいですが、要は一回限りですぐ結論が出るような局面ならば、最新型とは言わないということです。また、ある程度多くの棋士が注目しているということも条件です。例えばアヒル戦法が得意な棋士がいて、その棋士が毎局新手を生み出したところで、それらは最新型とは呼ばれません。
 そうなると「最新型」は現代で言えば横歩取りや角換わり、ゴキゲン中飛車など、多く指される戦法に限られることになります。
 次に、最新型の生まれる過程を考えてみます。将棋界には女流棋士も含め200名程のプロ棋士がいます。もちろん、全員が全員最新の研究を追いかけるわけではなく、独自の指し方を追求する棋士も多いです。実際のところ、流行の戦型の研究は若手中心となる傾向がありますが、彼らの熱量はすさまじいものがあります。水面下では毎日のように新しい手が生み出され、そして徹底的に研究されて潰されていきます。公式戦で日の目を見る新手は、ほんの一握りでしかないのです。そうして、数ある新しい形のうち、簡単には潰されない、結論の容易に出ない局面だけが「最新型」として認められる訳です。

プロ棋士の研究の様子。最近はパソコンを研究に活用する棋士も多い。

 ところで、そもそもなぜ新手を考えなければならないのでしょうか。普通ならば、ある戦型において分が悪い側が必要に迫られて、というのが自然な発想ですが、そうではない場合も多いのです。つまり、課題局面においてAという手の結論が出る前にBという手が出たりします。そうこうしている内にCやDも発生して、いつしかAは指されなくなるのですが、結局A~Dのどれが優るのか、誰もわからないという状況が生まれたりもします。
 こうして最新型の研究は、整理がつかないままに、混沌とした方向に向かうことも少なくありません。研究が進めば進むほど枝葉が広がっていくわけですから、指している側は大変です。ですが、そのような状況を作り出しているのは、他ならぬ棋士自身なのです。
 結局のところ、将棋のプロは将棋を考えることが好きな人達ということです。よくサメやマグロは泳ぎ続けなければ死んでしまうと言われますが、将棋のプロも似たようなものかもしれません。すなわち、常に新しい手を考えずにはいられないというのが、棋士の習性ということなのでしょう。

当コラムは、月に一度のペースで更新予定です。 また、皆様のご意見ご感想、取り上げてほしい題材などお待ちしております!お問い合わせメールフォームよりお送りください。
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