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2016.3.30

第26回 変わる格言

将棋というゲームはとても難しく、全てを読みに頼って指すことはプロでもほぼ不可能です。そんなときに役に立つのが格言。格言には過去の英知が詰まっていて、指し手に迷ったときにある程度の方針を与えてくれます。「王手は追う手*1 」「両取り逃げるべからず *2」といった言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
格言は不変で、いつの時代でも有効なもの。そんなイメージがあります。確かにほとんどの格言はその通りで、上記の2つはまさしく基本中の基本。初心者が最初に覚えるべき格言です。
しかし、例えば将棋の常識が変わってしまったとしたら?実は、そんな例が実際にあります。
その昔、振り飛車に対して、居飛車の構えは舟囲いと相場が決まっていたころ、振り飛車党にとって「5三のと金に負けはなし」という格言は絶対的でした。なにしろ、舟囲いの玉は3二が定位置。そこから2マスしか離れていない5三の地点にと金を作れば、もはや勝ったも同然だったのです。

「5三のと金に負けはなし」と言われた時代もあったが、やっぱり穴熊は遠い……

ところが、時代を経て居飛車穴熊が猛威を振るうようになってからは事情が変わります。ご存知の通り、居飛車穴熊の玉は1一で、5三の地点から到達するには4手もかかります。
5三のと金は以前ほどの威力を発揮せず、それどころか居飛車側はと金作りを受けずに攻め合い勝ちを目指すようになりました。現在でも「5三のと金に負けはなし」という格言は生き残ってはいますが、以前ほど絶対的なものではなくなっています。
「居玉は避けよ*3 」「玉飛接近すべからず *4」。この二つの格言に逆らった戦法と聞いて、ピンときた方は鋭い。そう、藤井システムです。藤井システムは四間飛車に振った後、居玉のまま攻め始めるという革新的な戦法でした。一見初心者のようにも思える駒組みながら、その実すさまじい破壊力を持つというギャップも相まって、居玉のまま攻めまくるこの戦法が大流行となったのです。初心者にこの2つの格言を教えようとして「でもみんな居玉で攻めてるじゃない」と言われ困った方もいるのでは?
さて、将棋の常識とともに変わっていく格言ですが、役に立たないということではありません。格言が通用しなくなった例を上で挙げましたが、これらは大流行の指し方ではあるものの、広大な将棋の変化の中においては例外の部類に入ります。指す手が分からなくなったら、格言通りに指すというのは現在でも大いに有効な方法です。


*1 相手玉を攻めるときは、むやみに王手をかけない方が寄せやすいという意味。
*2 両取りをかけられた時は、片方を逃がしてももう片方を取られてしまう。ならば、いっそどちらも逃げないで、他の有効手を指した方が良いという意味。
*3 居玉のまま戦いが起きると流れ弾に当たりやすいので、玉はきちんと囲いましょうという意味。
*4 玉と飛が近くにいる形は、王手飛車をかけられやすいので悪い形という意味。

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