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2015.08.28

第19回 時間も勝負のうち

 皆さんは将棋を1局指すのにどれぐらいの時間をかけますか?5分?30分?それとも1時間以上?もし持ち時間を無制限にした場合、何時間でも長考することができるので、いつまで経っても勝負がつかないことも考えられます。
 そこで重宝するのが対局時計。最初に時間を設定すると、後は着手の度に付属のボタンを押すだけで、機械が残り時間を計ってくれます。最近の対局時計は多機能で、秒読みはもちろん、考慮時間も設定でき、さらには秒読みを外国語でしてくれるものまであるのです。
 さて、対局中に秒に追われるというのはなかなか辛いもの。プロの対局では基本的に記録係が秒を読みますが、その昔は「ご、ろく、しち、はーち、きゅーーーう」という風に、手加減しながらの秒読みもよくあったようです。
 対して、対局時計は機械ですから一切の容赦がありません。現在、ほとんどのアマ大会では対局時計を使うため、時計に関するハプニングはもはや風物詩。
 持ち時間を使い切ったら即負けとなる「切れ負け」では、純粋な将棋の技量に加えて、時間の使い方や、さらにはボタンの押し方まで、様々な技術が必要になります。局面が優勢でも時間が切れたら負けになるため、不利な方はありとあらゆる手段を使って詰まされるまでの時間を稼ぐことも。みなさんは「王手攻撃」という言葉を聞いたことはありますか?
 これは、不利な方が相手の持ち時間を切らすために、無駄な王手をかけ続けて決着を先延ばしにする手法のことで、「切れ負け」特有のテクニックと言えます。
 一方、持ち時間を使い切った後でも一手○○秒以内に指せば時間切れにはならない「秒読み」では、いくら時間を稼いでもあまり意味はありません。純粋な盤上の技術で決着がつくことが多く、そのためか現在の大会の多くはこちらの方式を採用しています。それでも、時間に関するハプニングはどうしても起こります。時計に不慣れな方にどうしても多いのが、盤上に没頭するあまりのボタンの押し忘れ。ボタンを押さない限り、相手の番であろうと自分の持ち時間が減っていきます。見ている方は教えることもできず(助言になってしまうので)、やきもきしながら眺めるのみ。もっとも、将棋界には紳士淑女が多いのか(?)対戦相手が押し忘れを指摘してあげることも多いようです。

将棋大会では時間の使い方も重要になってくる。まずは時計の押し忘れに注意しましょう。

 対局時計に慣れている人ならではのミスもあります。秒読みに入った後、普段から時計を使い慣れている人ならば、残り時間を目で確認する必要はありません。それは、時計のブザー音を聞くだけで残り時間が分かるからです。そして、ギリギリまで考え、残り1秒でサッと着手し、バシッとボタンを押す。この一連の動作が完全に体に染み込んでいるという訳です。ところが、ギリギリを追い求めるあまり、時計を押すのが間に合わずに時間切れとなるケースもまれにあるのです。少し余裕を持って押せばいいのかもしれませんが、それは気楽な外野の考え。当事者としては、やはりギリギリまで考えたいところなのでしょう。
 将棋界には「時間も勝負のうち」という文化があります。大会に出る際は、対局時計の使い方にも慣れていた方が確実に有利です。また、自分は観戦専門で対局時計とは一生縁がないという方も、対局者の時間の使い方に注目して観戦してみると面白いかもしれません。


 当コラムは、二・三週に一度のペースで更新していく予定です。 また、皆様のご意見ご感想、取り上げてほしい題材などお待ちしております!お問い合わせメールフォームよりお送りください。
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