ホーム > 将棋 >将棋コラム イゴショー記者から見た将棋界

将棋トップページ

  • 番組紹介
  • 銀河戦
  • 女流王将戦
  • 将棋スペシャル
  • 講座一覧
  • 今週の認定問題
  • 見どころ

囲碁・将棋chとは?

視聴方法について

良くある質問

囲碁 twitter

将棋 twitter

J:COM

能登半島地震災害義援金

碁楽室

教育関係者の方へ - 学校無料視聴受付について

第18回囲碁アマチュア竜星戦

第9回将棋アマチュア銀河戦

女流王将戦

将棋連盟クラウドファンディング

2017.01.12

第30回 ジュニア銀河の挑戦

 昨年11月下旬に行われた『第6回将棋アマチュア/ジュニア銀河戦』。結果は既に特設ページで公開されていますが、この大会、特典が豪華なことで一部では(?)有名な大会なのです。よく知られているのは『アマ銀河戦』優勝者の銀河戦出場権ですが、もう一つの大きな特典が、上位入賞者に与えられる『アマ王将戦』全国大会の出場権。とはいえ『アマ王将戦』の全国大会進出者はたったの27名。数あるアマ大会の中でも少数精鋭の様相を呈しており、過去の招待選手は一様に苦戦を強いられてきました。そんな中、今年からジュニア銀河戦の上位者も『アマ王将戦』に招待されることに。最近は小中学生が大人に混じって全国大会に出場することも、もはや見慣れた光景になりつつあります。しかし、今回は少数精鋭の『アマ王将戦』です。アマ銀河でさえ苦戦しているのに、ジュニアではどうだろうか……という下馬評もあったことは確かでした。ところが、そんな評判を大きく覆す展開が待っていたのです。
 2016年12月3日、チサンホテル浜松町。勝った方が決勝トーナメント進出となる予選3局目がぽつぽつ終わりを迎えるころ、控室にそのニュースは飛び込んできました。「細川負けです」えーっと驚く関係者。それもそのはず、細川大市郎さんといえば全国優勝多数、もちろん今回も優勝候補の一角。そして、殊勲の星を挙げたのはジュニア銀河の伊藤慧(さとる)君だったというのだから、ギャラリーの驚きももっともでしょう。対局室に入ると、感想戦を行う両対局者。細川さんは苦笑いを浮かべつつも、中盤で受けに回った手を再三にわたり悔やむ様子。対する伊藤君は意外と冷静そう。大番狂わせを演じた直後とは思えません。

出場者最年少の伊藤くん(左)は、トップアマの細川さん(右)を破り決勝T進出の快挙。

 伊藤君は、愛知県に住む中学1年生。アマ王将戦の直前に行われた『ジュニア銀河戦』での優勝が、全国規模の大会における初の大仕事でした。従って全国的にはほぼ無名で、前夜祭では「伊藤君ってどんな棋風?」と情報収集をする選手も。
 対局後、本人に話を聞いてみると「自分では序盤に重点を置く受け将棋だと思っています」。ところが、ギャラリーによる分析結果を総合すると「バランスが取れた棋風だが、時折鋭い手が飛んでくる」という評判で、あるいは無意識のうちに鋭いパンチを放っているのかもしれません。そういえば、細川戦でも意表の攻め筋で一気に局勢をリードしているようでした。
 そんな伊藤君の勉強方法には、スマホが欠かせません。オンライン将棋アプリ『将棋ウォーズ』でひたすら10秒将棋を指したり、詰将棋アプリで終盤力を磨くといったものが中心だそうです。リアル対局はやらないの?という僕の質問には「道場には行かないですね。将棋盤も持ってはいますけれど、そんなに使わないです」という返事。それでも将棋を覚えたてのころは教室に通っていて、それも今話題の藤井聡太四段と同じ教室だったとのこと。指したことは?と聞くと「六枚落ちで教わったことがあります。教え方がすごく上手いんですよ」
 さて、アマ王将戦の話に戻りましょう。予選を通過した伊藤君は、決勝トーナメントに進出。あと4勝で優勝です。そんな状況で引き当てた相手は、なんとアマ銀河の井上輝彦さん。期せずして「アマ銀河vsジュニア銀河」というカードが実現することとなりました。伊藤君の先手番で始まった対局は、延々と駒組みが続く展開に。早指しで飛ばす井上さんに対し、伊藤君は一手一手に小考を続け、気づけば持ち時間は大差。時間に追われた伊藤君がやや強引に仕掛けたところを井上さんに的確に反撃され、伊藤君の進撃も残念ながらここまでとなりました。
 

アマ銀河・井上さん(左)とジュニア銀河・伊藤くん(右)の対戦がこの大舞台で実現。過去の対戦成績は1勝1敗の五分とのことだったが、今回はアマ銀河に軍配が挙がった。

「アマ銀河が貫録を示した」というフレーズが一瞬浮かびましたが、二人の話を聞くとそんなに単純な話ではないようです。実は井上さんも愛知在住。伊藤くんの手の内は良く分かっていたようで「強いのは知っていたので、千日手含みで慎重に指したのが上手く行きました」と作戦が当たったことを匂わせました。
 帰り際、伊藤君は「予選を通過できたのは自信になりました」と振り返った後「ゆくゆくはアマ大会で優勝したい」と抱負を語り会場を後にしました。
 さて、ジュニア銀河の挑戦はここまでとなりましたが、バトンを受け継ぐ形となったアマ銀河はどうなったのでしょうか。次回はアマ銀河・井上輝彦さんに焦点を当ててみたいと思います。

※アマ王将戦の全結果はコチラをご覧ください。
※本大会の模様は、囲碁・将棋チャンネルで以下の日時に放送致します。
ぜひご覧ください。
準決勝第1局……2017年1月28日(土)20:00~ 他
準決勝第2局……2017年2月25日(土)20:00~ 他
決勝戦……………2017年3月25日(土)20:00~ 他

当コラムは、月に一度のペースで更新予定です。 また、皆様のご意見ご感想、取り上げてほしい題材などお待ちしております!お問い合わせメールフォームよりお送りください。
過去のコラムはこちら