tsuruno
#9 ▲つるの剛士 vs △中村さん 131手まで つるの○勝ち(新宿将棋センター
局中の解説(解説者 高野秀行 五段)※解:解説者、井:井上ゆりな
解:今日はね、もしかすると。
井:勝てる?
解:勝てるかも!
井:かも!
解:かも。まだね、ちょっとわからないです。
井:わかんないんですか。
解:はい、流れから説明したいと思います。
解:最初、つるのさんが何間飛車だったでしょうか?
井:三間飛車です!
解:ゆりなちゃんすごいなー。もうね、ゆりなちゃんの成長が一番すごい、この番組は。
井:ですよね。
解:で、今戦いがありました。で、つるのさんが序盤ですごくうまかったです。
解:今日の序盤は百点。
井:百点。おぉー。
解:うん、言うこと無いです。無いんだけど、ちょっとチャンスを何回か逃したんだよね。
解:何回か逃したんだけど、それにしてもこの局面、まだ少し中村さんがミスしたこともあって、つるのさんの方が優勢です。
井:お、おぉー。
解:実はここ、すごく難しいところで、ちょっと見てみましょう。
解:えーと、持ち駒です。持ち駒の駒得を見てみますと、角と金の交換で、つるのさんの駒得。
井:はい。
解:ただ、つるのさんの方の難点としては、囲いの金との交換になっちゃているのね。
解:これが、攻めの銀との交換だったら、圧倒的に優勢なんだけれども。
井:うん。
解:守りの金と交換になっているので、見た目ほどの駒の損得はありません。
井:うん。
解:ただ、もう一つ。ものすごく良い点、つるのさんが主張出来る点。
解:この(3五の)後手の飛車が危ないんです。現段階で。
解:なぜ危ないかと言うと、ここ(3五)の飛車実は死んでます。こう指せば。▲3六銀。
井:あー。
解:これ取ると(△3六同飛)、取って(▲同飛)駒得が拡大します。
解:なおかつ、引くと(△3四同飛)、▲3五歩と打つ手があるんです。死んじゃうんで。これで動く場所がありませんので。
解:もし、ここで▲3六銀と指せれば!
井:指せれば!
解:ゆりなちゃん、今日はもしかして。
井:うわぁー。
解:つるのさん、勝っちゃう。
井:勝っちゃう!
解:かも。アハハハ。
井:これを願いたいですね。
解:ただね、つるのさん慎重な性格だから。
井:分か(ります!?)、あぁー。
解:こうやっちゃう(▲3六歩)んじゃないかと思うんだよなあー。
解:うん、これも悪い手では無いんですよ。
解:これもあるんだけど、こう(▲3六銀)指してくれるように。また、ここではこういう(▲3六銀)狙いを残して、王様を固める▲3八金、こういう手もいい手です。すごくいい手です。
解:ただ、決めどころというところも有ります。将棋って言うのは。やはり、決めなければいけないところ。決めどころの一回目が来ているので▲3六銀。これ、ゆりなちゃん。
井:これ!
解:お祈りして! この▲3六銀が指せるように。がんばりましょう。
井:はい。
局後の解説(解説者 高野秀行 五段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(中村さん)、井:井上ゆりな
図1
図2
図3
図4
図5

つ:いやーお疲れ様でした。
解:お疲れ様でした。
つ:ありがとうございました。
解:いやー、ね、つるのさん新宿将棋センターいいとこですね。
つ:いいとこでした。やっぱりホームだけあってね。気持ちがリラックスするというか。
解:いや、良かったですね。
客:強い強い。
つ:いや、強くないですよ。
つ:やっぱり、秒読み難しいですよね。
解:難しいです。普段の力より、プロでも半分くらいの力です。普段の力を10とすると、5くらい出せれば、秒読みというのは。それくらい難しいものですね。
つ:そうですか。
解:えー。
つ:それでは局面を。
解:はい、じゃ局面を。
解:(局中の)解説させて頂いた局面からちょっと戻るんですけど、つるのさんが序盤作戦としてうまくいきました。
つ:はい。
解:ところがこの前に、この金が上がって行って、飛車をいじめようとした構想が実はあまり良くなくて。
つ:これね。
解:今、この局面になっていまして(図1)、ここで取られたんですね(△4四角)。
つ:はい。取れました。
解:取られたんですけど、実はここ、すごくいい手がありまして、実はつるのさん突いたんですけど(▲3五歩)、この歩タダだったんです。
つ:あぁー。
客:そうだよね。
解:取ると(▲3五同金)、(5五の角で玉が取られる。)
つ:あっコビンが・・・いや、開いているんですね。覗いていたんですね。
解:覗いていたんです。
解:これね、時間がなかったので、中村さん取られてしまったんですね(△4六角)。
客:うんうんうん。
解:取られてしまって(△4六角)、で取り返しということになりまして(▲4六同飛、△3五飛)。
解:これちょっと見て頂きますと、角と金の交換になって、少しつるのさんが得しています。
つ:駒得ですね。
解:ただ、金でも、守りの金をはがしてますから。
つ:そうなんですよ。
解:そんなにね、駒得と言っても、ものすごい駒得ということではない。
つ:えー。
解:もう一つここで、つるのさん、解説の再開の場面なんですけど(図2)。

図2

解:こう打たれたんですけど(▲3六歩)、これ悪い手ではないんです。
つ:はい。
解:非常に手堅い手なんですけど、これね、こうやった方(▲3六銀)がより良かった。
つ:ただ、次のこの金(△5五金)がすごく怖かったんですよ。
解:金を打つとするでしょ(△5五金)。これ取っちゃえば(▲5五同角)いいんです。
つ:あっこれ取っちゃう。
客:取っちゃう。
つ:ほーほーほー。
解:で、取ったら(△5五同歩)取り返せば(▲3五銀)。
つ:あっ、そっか、そっか、そっかー。
解:で(図2から▲3六銀で)、逃げたら(△3四飛)、歩(▲3五歩)なんで、銀が出た方がより分かり易かったですけど。
つ:あー。
解:ただ、これは、僕が思っていた順ではなかったんですが。
つ:はい。
解:(本譜、図2から▲3六歩、△3四飛の後)▲3二角は非常に良かったと思います。
解:相手の駒を攻めながら、また、取りながらという。
解:桂跳ねて(△1三桂)、成って(▲2一角成)、△5五歩。これ△5五歩非常に手筋の良い手です。
解:そして、取って(▲1一馬)、これでさっき駒得でしたよね。
つ:はい。
解:その駒得が拡大しましたよね。
つ:ええ。
解:なので、つるのさんが着実に優勢を延ばしているということなんで、非常に良いです。
解:で、△4四歩とあわせて。
つ:そうですね。
解:ここの(4筋の)プレッシャーを。
つ:プレッシャーを掛けて来て。
解:▲3五香と、一番いい手です。
つ:はい。
解:取りまして(△4五歩)。

図3

つ:引きました(▲4八飛)。
解:引く手もとってもいい手だと思いました。
解:こっち側(▲7六飛)と比較は難しいんですけど、手堅い手です。
解:で、逃げて(△7四飛)、馬で(銀を)取りました(▲3三馬)。
解:つるのさんね、初回から比べますと、将棋が相当強くなりましたよね。
つ:いや、そうですか。
解:うん。
つ:いや、ちょっとは強くならないとまずいですもんね。
解:いや、駒得がこれ拡大したじゃないですか。銀取って。
つ:あっはい。
解:ただ、怖いのはここです(4六〜2八の角筋)。
つ:そうです。これがずーと気になっていました。
解:ちょっとね。
つ:空き過ぎなんですよ。
解:空き過ぎ。
つ:はい。
解:実は仕掛ける前に、こういう手(▲3八金)とか。
つ:一回ね。
解:一回ね、やっといてあげると良かったんですけど、これポイントを上げたから良かったんですけどね。
解:で、切って来て(△7七飛成、▲同桂)、これ一番きびしい手ですよ△4六角は。
つ:はい。これ嫌でしたね。
解:角嫌ですよね。
解:で、桂馬跳ねて(▲3七桂)、こっちに成った(△5七角成)。

図4

つ:銀上がりました(▲7六銀)。
解:で、つるのさん、ここでワンポイントレッスン。
解:今、この銀(6七の)は、攻めに使おうとしたんですか?
つ:はい。
解:ですよね。だけど、3三の馬で攻めのポイントがあるから、こういう時は、(6七の銀が)遊んでます。
解:遊んでいる駒は、常に王様の近い方に引きましょう(▲5八銀)。
客:こっちね。
つ:なるほどー。どっちか迷ったんですけどね。
解:これ、ご覧になっている皆さんも参考になるとこだと思うんですけど。
つ:はい。
解:この(6七の)銀は、今働きがありません。
解:で、こう(▲7六銀)やっても、次に攻めに使うには、まだ時間が掛かります。
解:こう(▲5八銀)なりますと、一手で守りになります。
つ:なるほどー。
客:(▲5八銀以下)△4八馬と取ったら、ね。
解:(▲5八銀以下)取って(△4八馬)、こう(▲同金)なると(守りが堅くなる)。
解:一方、本譜はこうです(▲5八銀ではなく▲7六銀、△4八馬▲同金となって図5)。
客:だいぶ違うねー。
つ:ですよねー。
解:どっちが堅いですか。
つ:こっちの方(▲5八銀以下の変化)が堅いです。
解:こっちの方が堅いですよね。
解:ですが、こうなったので(図5)、ちょっとだけ形勢が詰まりました。
解:なぜかと言うと、こう打たれたら(△7八飛)困る。本譜では、ここ(△8八飛)に打たれたので。
つ:えーそうなんですよ。
解:歩(▲5八歩)で、成って(△8一飛成)という形になりまして、少し楽になったんです。
つ:うん。
解:しかし、ここで(図5に戻って)こっちに打たれて(△7八飛)、歩打って(▲5八歩)、桂取られていたら(△7三飛成)。
つ:これ、痛いことになってましたね。
解:なにかちょっとねー。
つ:やな予感。
解:やな予感が・・・。
解:もう一つ、こっからも打てたんですよ(図5で△4六飛)。
つ:あっこれすげえー。両取りですね。
解:うん、だからちょっと間違えた。なので、こういうところは銀を引いて(図4に戻って▲5八銀)。
つ:引いておけば。
解:うん、引いておきましょう。
解:ただ、(この将棋は)つるのさん安定した指し回し。
解:中村さんの攻めをうまーくいなして、いい将棋だったんじゃないでしょうか。
つ:なるほど。いやー、今までの悪夢があるので最後まで手が抜けなかったんですけど。
解:まったくですよ。我々も最後はドキドキしながら見てましたよ。
井:ほんとですよ。
つ:すいません、先生までドキドキさせる番組ですからね。いつの間にやら。
井:いつの間にやら(笑)。
つ:ほんとにありがとうございました。
井:ありがとうございます。