tsuruno
#5 ▲つるの剛士 vs △米屋さん 132手まで つるの●負け(日本将棋連盟 桶川支部棋譜再生
局中の解説(解説者 武者野 勝巳六段)
解:(先手)“振り飛車穴熊”対(後手)“居飛車穴熊”ということになりました。
解:今、七筋からね、戦いが起こったんですが、角をこちら側(7七から5九に)につるのさん引いて(▲5九角)、そして今、▲4五歩(左図)、△3三銀引となったんですね。
解:さ、これからなんですが、えー、これはどうやらね、飛車・角が主役になる戦いがこれから繰り広げられます。
解:えー、おそらくね、これ突いたのでね(▲4五歩)、この角(▲5九角)使うんじゃないかなと思うんですけども。
解:これから先、見ていただく場合にはね、どちらの飛車、どちらの角が活躍するかなあと、より活躍した方が優勢になります。
解:ま、多分、おそらく勝利を得ます。
解:えー、そういう目で、これからの進行を見ていただければ良いと思います。
局後の解説(解説者 武者野 勝巳六段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(米屋さん)
図1
図2

解:はぁー、凄い一局でしたね。
つ:はぁー、お疲れさまでした、先生。
客:ありがとうございました。
解:お疲れさま。
つ:やっちゃいましたー!
解:いやあ! でもね、惜しかったなー。
つ:いやあ、もう、大駒取られちゃいましたからね。
解:いや、ま、最後はね、刀折れ、矢尽きるまでね、ふふふ。
つ:ははは、まさに、そんな感じでしたね。
解:いや、それにしても米屋さん、受けが強いわ
客:はあ。
解:正確だもの。
解:いや、それにしてもね、ここちょうど、一度中断して
つ:休憩でしたね。
解:休憩して、少しゆっくり考えてもらおうと思ってね、大盤解説した局面なんですけどね。

図1

解:いやあ、つるのさん、何で角上がんなかったの!?(▲3七角)
つ:これねえ、僕、次のここ(7七)が何か、あの。
解:あ、ここが危ないような気がして?!
つ:桂馬が来て(△7七歩成、▲同桂)、歩を指されて(実は後手の持ち駒に歩がないが、△7六歩)、取られちゃうみたいなイメージがあったんです、何か。
解:あー、そう、こう無くてね(▲8九の桂が無くて)、これが動いちゃうと(▲3七角)、成られちゃうような(△7七歩成)。
つ:なんかイメージが。
解:ね、錯覚したんだね。
解:成ればね、飛車を交換して(△7七歩成、▲同飛、△同飛、▲同桂)、逆に飛車、こう(▲8二飛打)ね、両取り(△8四の角・△5二の金)。
つ:あー、両取りがあったかー。
解:これバラバラだから(現段階△5二の金が浮いていて、△3二の金も浮いている)、今ならば。
解:こっち(先手)は、(守りが)しっかりしてますから。
解:ね、飛車交換は大歓迎。
つ:なるほどー。
解:で、そうすると(図1で▲3七角とすると)、この角がこう(△9一の香)香取り。
解:これね、受からないですよ、これ。
解:だって、こう守ると(△9二飛)、ね、歩を取られちゃう(▲7六飛)。
客:ええ。
つ:あー。
解:受けが無いんですよ。
客:無いですね。
解:ねえ。
解:角を対抗にするんだろうけれども(△7三角)、取らずにね、こっちを取っちゃうんですね(▲7六飛)。
つ:はいはいはい。
解:で、角を成ってくると(△3七角成)、こっちじゃなくてね(3七の馬を取るのではなく)、こっち取っちゃうから(▲7二飛成)。
解:これでですよ、また(△5二の金)金取りですよ。
つ:はい。
解:で、これ取ると(▲5二龍)、また(△3二の)金取りですよ。
つ:そうですねえ。
解:で、それ防ぐと(▲5二龍に対して△4二金右と指す)、ありがたくこれ(△3七の馬)取っちゃいますから(▲3七金)。
解:いや、これは大優勢の…
つ:あああーっ!!
解:初勝利かなあっと思って、▲3七角に行ってれば。
一同:(笑)
つ:いやあ、休憩時間にゆっくり考えようと思ったんですけどね、米屋さんと世間話しちゃったんですよねえ。
一同:(爆笑)
つ:将来の将棋はどうなんだろうみたいな話をしちゃったんですよ。
解:じゃあね、もう一カ所ね、ちょっと作ります。

図2

解:えーとね、もう一つのポイントは、ここでしたね。
つ:ありました、はい。
解:ここでね、こう、▲6五歩打てば良いなと思ったら、打ったんですよ。
解:で、△6五同歩ならば、▲同飛で、こう受けて(△6四歩)、▲8五飛とね、十字飛車で飛車を捌くのでね、これはやったなと思ったらば!
つ:あら。
解:いやいやいやいや、米屋さん、(▲6五歩に対して)△6一香ですよ。
つ:この受けが強烈。
解:これはねー、凄い上手い受けでしたね、ええ。
解:で、こう取りこんで(▲6四歩、△同金)、でね、もう手を作りに行った(▲9五角)。
解:ところが、いや、もう全部丁寧に受ける(△4二銀)じゃないですか。 
解:で、こうやって(▲7三歩)、これも取ってくれれば(△同飛)、歩を打ってね(▲7四歩)。
解:また、こう逃げられて(△6二飛)、で、歩を打ってみたんですけど(▲6三歩)、これも△同飛なら▲7二歩成なんだけども、△6三同金とやった。
つ:見事に。
解:まあ、こういう事でね、丁寧に丁寧に、こちらのつるのさんの狙いをね、消されちゃいまして、もう、受けの達人ですね!
客:はあ。
解:恐れ入りました。
つ:失敗しましたね、これねー。
つ:世間話しなきゃ良かったなー。
客:あはは。
解:(図1で)▲3七角!ってね。
客:そうですね。
つ:これがポイントでしたね、今回ね。
解:はい。
つ:なるほどー、分りましたー、いや、勉強になりました。
つ:ほんとありがとうございました!
解:ありがとうございました。
客:ありがとうございました。
つ:ただですね、僕、米屋さんと、なんか新宿の道場で一度指したことがあるんですよ。
解:あ、そお!
つ:僕の記憶では。
つ:多分、一年か二年くらい前だと思うんですけども。
つ:なんか、こう、お強い方のイメージがガーンと頭の中にあって、今日見た瞬間に“あれ!? どっかでお会いしたなあ”っていうのが。
解:その時も、もお、受け潰された?
つ:コテンパンにやられましたね、はい。
解:ははははは。
客:ふふふふふ。
つ:ええ、コテンパンでした、その時も。
つ:今回もコテンパンでした。
解:非常にね、攻めよりは、もお、受けの強さが光ってる一局ですね。
解:もお、こっちがさかんに、こうね、ここを打ったりとかね(▲3四歩)、▲4四歩、▲3五金とかね、んー、手を作ってくんだけども、どうも、少しずつ駒不足に陥ってね。
つ:はい。
解:ええ、ま、最後までよく頑張りましたけれども、とうとうね、大熱戦にも負けということで、惜しかった。
つ:いやあ、どうもありがとうございました。
つ:ほんとに勉強になりました。