tsuruno
#4 ▲つるの剛士 vs △加藤さん 122手まで つるの●負け(新京浜川崎倶楽部棋譜再生
局中の解説(解説者 安恵照高七段)
 先手のつるのさんが、振り飛車、四間飛車ですね。
 今、えー加藤さん(お客さん)が△8七角と打ったんですが、実は私ならですね。
 こう打ってね(△7五歩)、取らせて(▲同銀)、歩が成って(△8七歩成)いきたいですね。
 というのは、歩が成ると(△8七歩成)、と金が(7八の)金に当たって、(その次に)飛車にも当たりますので、できれば、△7五歩と打って、銀にどいてもらって
 そこで(△7五歩に銀が動かず)角打ち(▲4六角)なんかもありますが、角合わせる手(△5五角や△7三角)がありまして。
 実は△8七角は、まー短時間だからですが、かなり過激な手ですね。
 えー、(先手の囲いが)穴熊です。
 ですから、穴熊じゃなくて美濃囲いですと、△8七角もあるんですが、ちょっと激しいかなと思います。
 えーできれば、加藤さん△7五歩の方を選んでほしかったのですが。
 でも決して悪い手じゃありません。
 これ(△8七角となった図の局面)に対しての応じ方は例えば金上がる(▲7七金)とかそうゆう指し方があります。
 そして、加藤さんが成って(△7六角成、▲同金)歩が成る(△8七歩成)と。
 えーこういうとこに歩を打つ(▲8四歩)とか、あるいは、こういうとこにじっと打っておく(▲8五歩)と。
 これはですね、専門家同士ですと大熱戦になります。
 (再び△8七角となった図に戻って)えー、つるのさんがこの角を取ったら(▲8七同銀)駄目ですよ。
 取ると歩が成ります(△8七同歩)。
 ですから、こういうのは、いなすと。
 こうゆう風にいなすという指し方(▲7七金)があるんです。
 こうなりますと(▲7七金に対して、後手が別の場所に手を指した場合に)いつでもこうなると(▲8五歩と打たれますと)、これ将棋が終っちゃう恐れがありますので、必ず取って(△7六角成)。
 (▲7六同金、△8七歩成で少し不利になりますが)しかし、後手の加藤さんこっからが強いから、激しくなると思いますが。
 つるのさんが今日はですねー、この金上がる(▲7七金)と、勝つチャンスがもうたくさんあると。
 ですから、大熱戦になりますが、つるのさん、こう取らないで(▲8七同銀)ほしいですね。
 こう取ると(▲8七同銀)もう加藤さんのペースになっちゃいます。
 ですからこれはつるの二段としてはこう指したい(▲7七金)。
 で、これを指せるかどうかがこの将棋の分かれ道になります。
局後の解説(解説者 安恵照高七段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(加藤さん)
図1
図2
図3

図1

つ:いやー、先生、お疲れさまでした。
解:お疲れさまでした。
つ:いやー、コテンパンでしたね、またねぇ。
解:いや、ところがですね、つるのさんが勝つチャンスがあったんですよ。
つ:はい。
解:やっぱり、えー、これが最善手(▲7七金)なんですよ、これ。
つ:上がったとこですね(▲7七金)、はい。
解:で、加藤さんがね、こう取った(△7六角成)。
解:これは、もうしょうがないですね。
解:で、▲同金。
つ:▲同金。
解:そこで、△8七歩成。

図2

解:ここで、つるのさんね、惜しくもこっちに逃げちゃったんですね(▲3八飛)。
解:こう、何でもないところ…、これ(△7八と)が嫌だったんでしょうけどね。
つ:ええ。
解:ここで、こう止められますと(▲8五歩)、これはね、加藤さんの方から歩を打たれても(△7八歩や△8八歩)かなり戦えますよ、これ。
つ:これ(▲8五歩)があると、そっかー。
つ:僕、コッチから回って(▲3八飛)、コッチ(右側)から攻めていこうかなと思ってたんですけどね。
解:おそらくね、つるのさんはね、ここでこう入る手(△7八と)を…
つ:これ、怖かったです。
解:それで飛車を成られちゃう(△7八と、▲7八同飛、△8九飛成)のを恐れたんですけどね。
解:こう打つ(▲8五歩)とですね、今度こうやっても(△7八と、▲同飛)、銀打ち(△6七銀)には飛車浮けば(▲7七飛)たいした事ないですね、こう浮いちゃえば。
解:だから、そうすると、おそらく、ひょっとするとですよ、勝てたかもしれません。これは。
つ:秒読みでですね、(△7八と、以下の)飛車取りと金取りが嫌だなと思ったんですよね。
解:ええ、そうでしょう、桂馬取り(△8九飛成)がね。
つ:そうです、そうです。
解:それで、こう逃げましたね(▲3八飛)。

図3

解:で、ここで加藤さんのコレ(△8六と)は良い手、凄く良い手。
つ:うまかったですね。
解:でね、ここでね、残念ながらね、こっちに逃げて(▲6六金)、これでね(△7六と)、将棋の勝負の流れが変わっちゃったんですよ。
つ:はあー、上に上がっとけば良かったですか?
解:これはね、我慢のこと、こう行って(▲7五金)、こう行ったら(△8五と)、また我慢のこと(▲7四金)。
解:で、こうやったら(△7五と)、止められちゃうし(▲8三歩)、まぁ、加藤さんは、こうやる一手(△8四と)なんですけどね。
解:だから、ここ(▲7五金、△8五と)でね、こうやるんですよ(▲8三歩)、つるのさんの方はね。
つ:はい。
解:そして、飛車が回ったら(△7二飛)、これが勝負なんですよね。
解:ま(△7二飛に回られた後)、取ったりしてね(▲8五金)。飛車成るけど(△7九飛成)、これは(後手の持駒が)銀だけですからそれほど怖くないんですよ。
つ:はい。
解:だからね、この将棋のほんと惜しいのはね、▲3八飛のところ(図2)で8五歩(▲8五歩)。それからもう一手、ここ我慢して欲しかった(図3、△8六とに▲7五金)。
解:今日、1勝挙げるかなと思ったんですけどね。
つ:いやいやいや、もー、カラータイマー鳴りっぱなしでしたからね、ピッコン、ピッコン。
解:いや、ほんとにね、惜しかった。
解:今日は三段の手を指しました。
解:これ、金上がった手(▲7六金)、これ、三段の手です。
解:ですからね、その後が惜しいんですよね、この▲3八飛が。
解:そこは、加藤さん見逃さないですよね。
解:これ、と金退いた手(△8六と)、良い手なんですよ。
解:こっちにやると(△7七と)桂馬で取られたり(▲7七同桂)、それからこっち(△7八と)は、止められたり(▲8五歩)しますからね。
つ:なるほどねー。
つ:いやー、勉強になりました加藤ちゃん、ねえ。
つ:ほんと、ありがとうございました。
客:ありがとうございました。
解:いや、これから彼女もがんばって、いろいろね。
つ:ねえ、名人になって、「俺、昔指したんだよ」なんて自慢させて。
客:ふふふふふふ。
つ:どうもありがとうございました。
客:ありがとうございました。
解:どうもありがとうございました。