| #32 △つるの剛士 vs ▲寺崎さん 61手まで つるの●負け(東京電機大学 理工学部) 棋譜再生 |
| 局中の解説(解説者 藤森奈津子 女流三段)※解:解説者、井:井上ゆりな |
|
|
解:はい、さっきの局面から少し戻したのがこの局面。(図)
井:はい。
解:ここでこう突いて(▲3五歩)、取って(△同歩)、銀が出て(▲4六銀)、こう(△3六歩)、でこういう風(▲同飛)に進んだんですけど。
井:はい。
解:今ね、3筋を攻めているので、振り飛車というのは、相手が攻めてきた筋に飛車を回るというのが極意なんですよ。
井:はい。
解:ほんとは、△3二飛と指してほしかったんだけど、ね。
解:歩で受けたんですね(△3四歩)。
解:で、これでこう合わせて(▲3五歩)、こう突いた(△4五歩)んですけど。
解:これ、突くのも、そうですね、こう取った時に(▲3三角成)これだとね、桂馬で取らなければいけないでしょ(△同桂)。
井:はい。
解:桂馬というのは、前には行けるけど、後ろには下がれないので、桂馬を跳ねさせられちゃうのは辛いので。
解:こう、なんか△4五歩というのは、振り飛車としては、捌く時には指したい手なんだけれども。
井:はい。
解:この場合ちょっとあまり良くなかったかなあー。
井:はぁー。
解:で、交換して(▲3三角成、△同桂)、で一回銀が逃げるのかなと思ったんですけど、こっち取った手(▲3四歩)がいい手だったですね。
井:はい。
解:もし、こう取ると(△4六歩)、こうね(▲3三歩成)と金を作られてしまって、とても痛いので。
井:はい。
解:ね。(▲3四歩以下)銀を犠牲にして(△同銀)、と金を作らせないように。と金を作られるといけないっていうのは、身にしみて分かっているみたいですね。
井:はい! そうですね、それはね、もう。
解:で、飛車で銀を取って(▲同飛)、こう(△4六歩)、で現在この局面で。
井:はい。
解:そうですね、たぶん今度、桂馬を取られてしまう(▲3三飛成)と思うんですけど、これだとちょっと桂損なので。
解:ちょっと、正直言うと厳しい状況なんですけど、まだここ(4六の歩)の拠点がありますから、この拠点を生かして、これからつるのさん攻めてほしいですね。
|
|
| 局後の解説(解説者 藤森奈津子 女流三段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(寺崎さん) |
| 図1 |
 |
| 図2 |
 |
|
つ:先生。
解:残念でしたね。
つ:なんだか、全部がひっくり変えちゃったというか、バラバラに打っちゃいましたね。僕ね、いろんなとこに。
解:ちょっと混乱したみたいですね。
つ:混乱しましたね。飛車が居る場所間違えたり、いろんなこと自分でしたんですけどね。
解:そうそう。
つ:どうでしたか、寺崎さん。
客:あー、まー結構思い通りに行ったという感じですかね。
つ:アハハハハ。結構思い通りに行かれましたからね。
解:ちょっと気持ち良く指されてしまいましたね。
つ:そうですね。
つ:ということでおさらいをここで。
解:はい。
図1
解:中盤の最後のとこなんですけど。
解:ここでちょっとね、桂馬を取られて(▲3三飛成)、現在、桂損でちょっと厳しいかなというところ。
つ:厳しかったですね。
解:でもまだ、ここ(2九)に取るべきもの(桂馬)残ってますしね、桂損ですから、まだまだこれからかなと思っていたんですけど。
解:(図1から▲3三飛成の後)この角(△1一角)はいい手だったんではないですか。
つ:あー。
解:すごくいい手だと思う。
つ:あっそうですか。こっち(△1五角)かここ(△2二角)もあるかと思ったんですが。
解:いやー、この手(△1一角)すごくいい手だったと思いますよ。
つ:良かった。
解:でね、飛車を取って(▲4二竜)、取って(△同金)、ここ(9九の香取り)が残っていますからね、桂馬で守った(▲7七桂)んだけど。
解:この手がちょっと薄いかなあと思ったんですけど。
つ:角かなんかで合わせてくるのかなと思ったんですけど。
解:ね。
客:あー。
解:そうですね、角合わせていく、とかっていうのが普通かなあと思ったんですけど。
つ:はい。
解:ここでこの(4六の)歩を早く消したかったのね(△4七歩成)。
解:というのは、将来ここに歩を打つ(△4一歩)ために。
つ:そうなんですね。
解:ね。取りたかったんですけどね。(本譜は△4七歩成とせずに)飛車を打ちましたね(△2八飛)。
つ:はい。
解:これもこっちの方(△4九飛)が(良い)。というのは、この(6九の)金が浮いているんですよ。
つ:(△4九飛の後)銀打って(△8九銀)寄る手とかね。
解:そう、銀打つとか、いきなり角切って(△7七角成、▲同玉)、こう取る手(△6九飛成)とかね、いろいろな手があるので。でもこれも・・・ね。
解:で、(本譜△2八飛の後)こう飛車打って(▲3一飛)。
つ:ここです、僕、大事件が起きました。
解:はい。
つ:ええ、ここで角が上がった(△3三角)んですけど。
解:ここで、すぐに銀を打つ手(▲6二銀)とかありましたよね。
客:そうですね。
つ:あぁー。
解:これもちょっと打たれたら困るかなあーと思っていたんだけど、ここで歩を取ってくれた(▲4六歩)。
解:(本譜以下)こう飛車成って(△2九飛成)、歩で受けた(▲3九歩)のは、すごく良かったですよ。
図2
解:(図2で)ここはすぐ、歩を持っていたから。
つ:そうなんですよ。
解:ここに打つ(△4一歩)のかなーと。
つ:これがなんでかなー。
解:歩打っていればまだまだ堅いですよね。
つ:ええ。金底の歩は鉄より堅し。
解:岩より。
つ:岩より堅しですか。岩より鉄のほうが堅いイメージがありますが。
解:そうですね。鉄ほどは堅くないのかな。
解:で、(本譜)こっち打って(△3二歩)しまって、これはなんかやな手があったんですか。
つ:なんかねー、どっかで角をタダ取りされるような・・・。
解:そっかー。
つ:頭の中で勝手によぎったんですよ。
解:角狙ってこられちゃうかなーって。
つ:TSRの悪魔が降りてきたんですよ。
解:ふっ、ハハハハハ。そんなのがあるんですか。
つ:毎回の、終盤になるとやって来るという。
解:そうなんだー。
つ:これなんで、ここに歩打った(△3二歩)のかなーって。
解:うん、そうですね、こっち(△4一歩)打っていれば優勢だったかもしれない。
つ:あっそうですか。
解:ですね。
つ:はい。
解:でこっちに打ってしまった(△3二歩)ので、ここで急所の(▲6二銀)。
つ:いきなり来ました。
解:これはねー、美濃囲い崩しの急所なんですよ。
つ:ねー。
解:金がもう1枚くっついて(4二の金が5二に)いればね。この手は無いんですけど。
つ:はい。
解:1枚こっちに離れているので、これ打たれちゃうとちょっと厳しいなー。
つ:厳しい! ですね。
解:うーん、銀とかで守っても(△5二銀)、いきなりこう(▲7一角)打ってきちゃうから。
つ:はい。これは厳しいですね。
解:いきなりちょっと厳しくなりましたね。
つ:はい。
解:うーん、ここではちょっと厳しいですかねー。
つ:そうですねー、ちょっと気持ち良く指されすぎましたね。これはね。
解:そうですね。
つ:ここで歩打った(△3二歩)ことによって、これ(△3八歩打ち)も消えちゃったんですよね。
解:あっそうですね。ちょっとこれは間に合わなさそうなんですけどね。
つ:間に合わないか。
解:すべてはこの歩(△3二歩)が。
つ:これが。
解:災いしちゃった感じですよね。
つ:歩一個でもうほんとにバラバラ、バラバラ行くんですね。将棋っていうのは恐ろしいですよ。
解:ね。今回は寺崎さんの快勝譜で。
つ:快勝!
解:快勝ということで。
つ:今回も、ということですけどね。
客:も、なんですか。
つ:ええ、なるほどねー。
つ:どうでしたか、寺崎さん。
客:あ、はい、あ、ええ、……楽しかったです。どうもありがとうございます。
つ:全然楽しそうではないんですけど。
一同:アハハハハ。
客:いやいや。
つ:楽しそうにしてもらってもいいですか。
客:あっ、はい、楽しかったです!
つ:あ、良かった!
解:良かった!
つ:初めて笑顔でましたよ、寺崎さんの、ね。
つ:はい、ありがとうございました。
|
|