| #31 下手▲つるの剛士 vs 上手△Kashiwaさん(2枚落ち) 141手まで つるの●負け(日本将棋連盟) 棋譜再生 |
| 局中の解説(解説者 北島忠雄 六段)※解:解説者、井:井上ゆりな |
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解:今、この局面を迎えてますが、えーここまでつるのさん非常に良く指せてますね。
井:はい。
解:王様をしっかり美濃囲いの形に囲っていますし、飛角銀の攻め駒を上手に使っています。
井:はい。
解:△8六歩の突き捨てから、(▲同歩、)△6七歩とKashiwaさんが指した局面で、この手の狙いは、つるのさんがこの手(▲7五銀)をやりたいんですけど、銀が出ると(▲7五銀)、歩を成り捨て(△6八歩成)て、取らせて(▲同飛)、銀のタダ取り(△7五銀)をもくろんでいますので、この筋を気を付けなければいけません。
井:はい。
解:具体的にこの後、どうして行くかなんですが、えーつるのさんが負けるパターンとしては、ここにこういう攻め(△8七銀)、あるいは△8五歩と合わせて、取り込みから(△8六歩)、成る(△8七歩成)。
解:飛角を攻められる。こういう展開を気を付けなければいけないです。
解:できるだけこの(8四の)銀を相手にしないで、5筋から向こう(1〜5筋)の駒を攻撃の目標にしていくのがいいと思います。
解:(例えば)図から▲5四歩、△同金右、▲5八飛と回って、次に▲5五銀と出る手とか、▲6四歩と突き出して歩成り狙いの手(▲6三歩成)もありますし、(この▲6四歩を)取れば(△6四同金)、飛車を成る手(▲5二飛成)が出来ます。
解:こうなればつるのさん大優勢で、「勝機、大いにあり」という局面ですね。
井:はい。
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| 局後の解説(解説者 北島忠雄 六段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(Kashiwaさん) |
| 図1 |
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| 図2 |
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つ:いや、疲れたわ……
一同:アハハハハ。
つ:先生、やってもらっていいですか、もう。
解:はい。随所に見どころの多い将棋でしたけれど。
解:やはり中盤ですね、駒の進む方向というのを簡単に解説したいと思いますが。
つ:はい。
図1
解:この(8四の)銀は極力相手にしない。
解:上手として見れば、この(8四の)銀を働く展開にしないと苦しいんです。
つ:はいはい。
解:王様から遠い位置の駒ですから、こっち(8五歩)じゃなくて、こっち(1〜5筋)に向っていくのが良いですね。
つ:あー。
解:一例を挙げれば、取り込んで(▲5四歩)、仮に△同金右と取れば、▲5八飛と展開して、これで次に、突き出し(▲6四歩)を狙う、取りますと(△6四同金)飛車が成れます(▲5二飛成)しね。
つ:あっはい。
解:次に▲6三歩成という手も大きいので、これ(▲6四歩の突き出し)非常にきびしい手ですし、あと(図1から▲5四歩、△同金右、▲5八飛の局面で)、銀をこっち(▲5五銀)に行って、こちらの駒(5四の金、4三の金)を目標に攻めていく、こういう感じで指されていたら、つるのさん作戦勝ちから優勢になってそのまま押し切れたかと思うんですけれども。
つ:ええ。
解:これ(図1から▲8五歩、△同銀、▲8二歩)やりたくなっちゃうんですけどね。どうしてもここに(▲8二歩で8一桂取り)目がいってしまいがちなんですが、この(△8六歩)反撃がやらしいですよね。
つ:ええ。
解:この後、飛車浮いて(▲7七飛)、この飛車の横効きが、また良く効きましてね。終盤どちらが勝ちか分からなかったですけど。
図2
解:えー、まーいろいろ勝ち筋があったと思うんですけど、つるのさんとしては、心の余裕で端は(79手目の△1五歩)、▲同歩と取って。
つ:手堅く。
解:ええ。これやっぱり取り込まれると、いつでも成り捨て(△1七歩成)から王手がかかる格好は気持ち悪いですから、一旦は取って、それで受けの手を指されれば良かったかなと思うんですけどね。(本譜は取り込まれてしまった)
つ:なるほどー。
解:でも、あの、香車が効きましたね。下段香(△5一香や△4一香)。
つ:すごかったですね。
解:やー。
つ:りっぱに並べられて。
解:ええ。
つ:どっからも攻められなくなっちゃって。
解:やはり、上級者の将棋は香車を、普通、初級者の方は攻めに使うのが上手で、それは出来るんですけど。
つ:はい。
解:受けにも使うというのはやはり、上級者の芸だなあと思って。
つ:すごいですね。
解:観ていて感心しました。
つ:でも、2枚落ちということでしたけど、なかなか破れないもんですね。
解:いや、でもこれつるのさんの名局で、すごくうまく指していて、僕の解説通りに進んでいて。
つ:あっそうですか。
解:これはやったと思ったんですけど、Kashiwaさん腰が重いですね。
つ:ふふふふふ。
解:いやーあと一歩というところで。
つ:先生、そう言って腰を重くしたのは先生のせいなんですよ。
解:アハハハ。
つ:高校生の時にKashiwaさんに将棋教えちゃうから、こんなに強くなっちゃうんじゃないですかー。
観客:アハハハ。
解:えっ、それは今日伺ってびっくりしたんですけど。
つ:なにちょっと感動的な再会みたいになっちゃっているんですか。
解:アハハハ。
つ:もうほんとに大変ですよ。
解:でも、つるのさんが腕を上げられたな、というのが実感できた。
つ:何言っているんですか。
解:とても良い将棋でしたね。
つ:ほんとに疲れました。僕。
解:ええ。これだけ熱戦になるのって珍しいと思います。
解:手数も長かったですものね。
つ:ええ、じわじわじわじわ指されて。
つ:どうでしたか。
客:いやー、これに懲りずにぜひ将棋を愛してください。
つ:何言うとるんですか、もう。
観客:アハハハハ。
つ:僕も、もう2ヶ月、将棋やりませんから、ほんとに。
観客:アハハハハ。
つ:ちょっと、僕、将棋きらいになりましたからね。
観客:アハハハハ。
つ:まーでもほんとにすごく勉強になる!
解:ええ。
つ:上級者と指させて頂いて。
解:すばらしい内容でしたね。
つ:有り難かったです。ほんとに。
つ:どうもありがとうございました。
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