tsuruno
#30 ▲つるの剛士 vs △清之進さん 80手まで つるの●負け(日本将棋連盟棋譜再生
局中の解説(解説者 北島忠雄 六段)※解:解説者、井:井上ゆりな
 
解:つるのさんの先手で始まって▲7六歩に、いきなり△5四歩がかなり早指し戦では先手を泣かせる作戦ですね。
井:はい。
解:隙を付かれたかと思いますが、割とテンポ良く進みました。
解:で▲7五歩、△3四歩、▲7八飛、でこれが清之進さんが狙っていた手で△8八角成で、▲同銀で、ここに角を打って(△4五角)両取りですね。
解:これ両方一遍には受からないんですけど、ちょっと難しい手ですけど▲8五角、角を成る手を見せながら(▲6三角成)、(6七の歩を)守ってる。(もし後手が)守れば(△5二金右)、(先手も)守る(▲3八銀)こういう渋い戦い方もあったんですけど。
解:本譜は、▲5八金左で受けまして、角を成らせて(△2七角成)、▲7四歩と反撃しました。
井:はい。
解:これ△同歩と取ってしまう方がいいですね。
解:この(5四の)歩が突いてあるので、こういう(▲5五角)角を打つ手が出来なくなっているので。
井:はい。
解:△6二銀と上がった手はちょっと清之進さん、ミスだったんですけど。
解:ここで、この筋(1一〜9九)に角を打てば(例えば▲6六角)、つるのさん優勢でした。
解:飛車の横効きが止まってしまったので、普通でしたら、こういう手(△2二銀)で受かるんですけど、(△6二銀と)銀上がっちゃっているので、香取りが受けられません。
井:はい。
解:こう(▲6六角)打てば良かったんです。でも本譜は7筋から攻めていっちゃったんですね。
井:はい。
解:こうなって(▲7三歩成)こう来て(△同銀)、そしてこれものすごい強力な攻めですね(▲7四歩)。
解:銀を飛ばして(△6四銀)、角を打ち込みました(▲7三角)。(図)
井:はい。
解:ええ、ここで清之進さん腰を据えてじっくり考えたのが正解です。
解:正しい手順は、こう取って(△7三同桂)、取って(▲同歩成)、これ「と金」が出来て厳しいようなんですけど、この手(△9五角)に気が付けば、清之進さんの方が勝ちそうですね。
解:この手に気が付かないと、つるのさんが一気に攻め倒してしまうかもしれないという。今そういう状況になっています。
局後の解説(解説者 北島忠雄 六段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(清之進さん)
図1
図2

つ:いやー、もうこんなこと初めてですよ。
解:ほんとですね。
つ:急戦でいきなりねぇ。
解:僕も、あの、ちょっと、びっくりしました。
解:後手の清之進さん作戦だったんでしょうか?
客:あっはい、ここ成る(10手目2七角成)までは作戦で、研究していたんですけれども。
解:あーはい。
客:これ(図2の▲7三角)見てびっくりしちゃってですね。
つ:もう、僕もここで、「これいってみるか」みたいな。急戦でこられたらもう「これでいくしかねぇよ」みたいな。
解:ええ。ちょっとわからなかったのは、角を打った時(図1)に角を打ち返す(▲8五角)とどういう将棋になるんでしょうかね。
つ:あっ、そこにですか。
解:(5四の)歩を突いていない形でしたら、ここ(▲7六角)の方がいいんですけど。
客:あっはいはい、そうですね。
解:(5四の)歩が突いてあるので一つ上打って(▲8五角)。
客:あー。
つ:あー、なるほどー。
解:受ければ、金か銀か(例えば△6二銀)、こちらも受けて(▲3八銀)。
客:あー。
つ:あー。
解:こんな不思議な将棋になるんでしょうかね。ちょっと早指しで指しこなすのは容易ではないですけど。
客:これは難しいですね。
つ:これはちょっと。
解:ええ。(図1から)▲5八金左で受けて、角を成って(△2七角成)、で突いて(▲7四歩)、これ先ほども(局中で)解説したんですけど、これ取っちゃう方(△7四同歩)がすっきりしてます。
解:これ銀上がったので(△6二銀)、つるのさん角を打つ手(▲6六角)がありましたね。
つ:はい。
解:これで香取りが受けにくい。
客:あーほんとですね。
解:飛車の横効きが(ないので)。
つ:あっそれ指した後に、あっと思って。銀上がったから行けば良かったと思ったんですけど。
解:ええ、この手ちょっと逃してしまったのが残念だったんですけど。
解:(△6二銀以下)歩が成って(▲7三歩成)、△同銀で、歩打って(▲7四歩)こう攻めたくなるところですけどね(以下△6四銀)。

図2

解:これ気を付けなければいけなくって、これ(▲7三角)決まったかに見えたんですが、△同桂と取られて、▲同歩成で 。
解:ええ、ここで△同銀ですね。単に角打つ手(△9五角)もありましたけど、銀で取って(△同銀)飛車が成った時(▲同飛成)に、ここで△5五角ではなくて、ここでもやっぱりこちらに(△9五角)打つ手が。
客:あー、そんな手が。
つ:わー、これ王手飛車取りですね。
解:ええ、厳しいんです。
客:戻って。
解:戻るよりないんですけど(▲7七竜)。
つ:あぁー。
解:まー平凡に取って(△同角成)。
つ:なんだ、いろいろあったんですね。
解:はい、いろいろな手ありましたね。
解:まー銀で取れば(▲7七同銀)、この飛車打ち(△7九飛)で。
つ:あっ痛ー。
客:あー。
解:馬が(4九の)金を狙っているので、これも非常にきびしい攻めになっています。
客:あーそうですね。
解:こういう感じで受けられると(図2の)角が無理筋だったんですが、本譜は(図2より△同桂、▲同歩成、△同銀、▲同飛成)、△5五角で、でもまあこれも次善手ですね。
解:竜引揚げて(▲7八竜)ゆっくり指す手もありましたけど、強く勝負に行って(本譜▲8二竜)、取って(△同角)。
解:(次)これ、難しい手(▲2五飛)良く気付きましたよね。
つ:あっあっはい。
解:いい手でした。よくこういう手が見えるなーと感心したんですけど、でも平凡にこんな手(▲5三桂)で絡んでおく方がやらしかったかもしれないですね。
客:あー。
解:(8二の)角がなにかの拍子に目標になっていくので。
つ:ええ。
客:はい。
解:ええ、これちょっと嫌な格好ですよね、金上がる(△5二右)と飛車打ち(▲6一飛)がある。
客:あー恐ろしい。
解:ははは。
解:本譜は飛車を打って(▲2五飛)、飛車を合わせた(△2六飛)。飛車合わせも絶対の受けですね。
解:取って(▲同飛)、取って(△同馬)、ここで、本譜▲6六飛と打ちましたけど、こっちから打った方が(▲8六飛)。
つ:あぁーほんとだ。こっちがあったかー。
客:ああー。
解:こう成って(▲8三飛成)指す手。この手の方が良かったですかね。ちょっと▲6六飛は、本譜は△4四馬でしたけど、手堅く△5三馬と引かれてまずい。
客:そうですね、どっち打とうか迷ったんですけど。
解:手堅く5三に引いて、こっち(8二)の角で(△5五角と)攻める方がいいですね。馬は受けにも効く駒ですのでね。
つ:ですねー。でもこの時点で二人とも時間が無かったんですよ。
解:ええ。ここ時間が無くて大変だなと思ってました。
つ:考える隙も無いというか、行き当たりばったりの将棋で、こんな将棋指したこと無かったので、行くしかねぇぞみたいな。逆に割り切っていたところがありましたけど。
客:アハハ。
解:ええ、中盤以降はお互いにいい応酬だったですね。
解:ただ清之進さん落ち着いてました。王様がここまで(△3二玉)逃げられてしまって。
つ:もう、どこも攻める駒がなかったですもんね。もう受けるしかなかったですからね。
解:そうですね、つるのさんちょっと戦力不足に陥ってしまって。
つ:かなり陥りましたね。
解:これは、清之進さんの指し手を褒めるしかないですね。
つ:ですね。
解:かなり落ち着いていて。
つ:いやー清之進さん、すばらしい将棋で。
客:いやー、もうほんとに、いつ首を取られるかと思って。
つ:アハハハハ。ドキドキしましたが。
客:ドキドキしました。