tsuruno
#27 ▲つるの剛士 vs △岡田さん 88手まで つるの●負け(柏将棋センター棋譜再生
局中の解説(解説者 勝又清和五段)※解:解説者、井:井上ゆりな
図2
 
解:途中から見て頂きましょうか。
井:はい。
解:つるのさんは得意の飛車を振ったので、振り飛車と言いますね。
井:はい。
解:こちら(左)から数えて4番目(の筋)なので、四間飛車と言います。後手は居飛車ですので、これで、居飛車対振り飛車という将棋の戦法が決まったので、次にやることは、一番大事な守ってあげる、囲いを作るという作業になるのですけど、普通はこれ(6八の飛)は攻める駒ですよね。
井:はい。
解:攻める駒というのは、相手からも攻められたりするので、この近くに(玉が)居るのは安全だと思いますか?危ないと思いますか?。
井:うーん。危ない。
解:そうですね。危ない。だから、これ(玉)はどっちに行ったほうが良いですか。
井:そっち(先手から見て、右側)。
解:はい、そうです。で、つるのさんは、こっちへ持っていった(右側)。
解:通常ですと、お互いに飛車から離していくと。
井:はい。
解:これを「玉、飛、接近すべからず」という。近くにいちゃいけない。玉を飛車から離していくと。これが、最初の駒組みですね。
解:ですが、今回、岡田さん、かなり独特の、自己流のやつでいきましたね。
解:銀が上がって(△4二銀)、玉上がって(▲4八玉)、△3二金と、えーと、これはどちらかというと、相手が、上から飛車が来た場合に、上に厚くしようとする構えなんですけど、これをあえて、振り飛車に対して用いようとしました。
解:で、▲3八玉、△5四歩、▲5六歩、△7二銀、とかなり独特ですね。
井:はい。
解:本当ですと、やっぱり、相手が居飛車の場合に使う構えで、振り飛車に対して使わない構えですけど、
解:で、つるのさんはいたって王道、振り飛車の基本をいっている指し方ですね。▲2八玉、△5二玉、銀が一個上がる(▲3八銀)と。玉の隣に銀金と来まして、これ美濃囲いです。
解:基本の囲いで、えー、まず覚えるんでしたら、この美濃囲いと、こういう(金銀3枚の)矢倉という構えですね。
解:この中でも、これが基本なのは、玉がイチ(▲4八玉)ニ(▲3八玉)サン(▲2八玉)で、銀一個(▲3八銀)、そして金一個(▲5八金)、たった5個動かしただけで、すごく堅い囲いが完成すると。
解:すごい、手数が短くて、すごく堅くて、守ってくれるので、この囲いをきちんと作れれば、そう簡単には負けないというところですね。
解:で、こちらは、どうも、かなり独特の指し回しをしまして、玉を本当ならば(飛車から)離さなければいけないのですが、真ん中に持ってっちゃって(△5二玉)。
解:で(図2から)、△3三銀、▲6五歩、△3一角と、ここの地点(8六)を狙うと。
解:これだけでいけば、数の攻め、(飛車と角の)力を合わせればということなんですけど、(玉が)ここにいれば(2二玉)良かったかなあと。
解:(▲4六歩)で仕掛けましたと(△8六歩)、で、▲同歩、△同角で、2対1で攻めてきましたけれども、受けの手筋、さすがつるのさん知っていましたね。飛車が回る(▲8八飛)というのが受けの手筋。これでもし、角を取る(△7七角成)と、飛車をいただいちゃおう(▲8ニ飛車成)と。
井:はい。
解:ということで、歩を打つ(△8五歩)ところまでがひとつの形ですね。攻める形と受ける形、これで一段落というところで、この後、つるのさんがどのように反撃していくかというところですね。
井:はい。
局後の解説(解説者 勝又清和五段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(岡田さん)
図1
図2

つ:先生、もう、ぼろぼろに、最後は手も足も出なかったですね。
解:きびしい稽古をつけられた感じですね。
つ:びっくりしましたよ。もう(後手の)王様の動きなんか、完全に舐められてましたもんね。
解:いやー、ちゃんと意味があった。本譜を見ますとね。
つ:そうみたいですね。
解:要するに、角打ちに強い構えを作りたかったっていうことですよね。
客:はい、そういうことですね。
つ:はーはーはー。
解:本来ですと、飛車と玉を離していったほうが良いので、玉と飛を接近しないで、こっち(玉を2二へ)行った方が安全ですけれどもね。
解:まー、狙いとしては、角交換を早めに狙うと。
解:その時に角打ちの筋を消すという意味で(玉を)こうやったと。玉と、金で、角の打ちを防ごうという意味だったんですけど。
つ:なるほど。
解:でも、ここまでは完璧に、きちんと囲っていましたし、攻められた時に、△8六歩、▲同歩、△同角の時に、これが手筋ですよね、▲8八飛と回って受けると。ここまでは完璧でございます。角を取れば飛車を取るぞと。
解:で、(△8五)歩を打ったところなんですけど(図1)、考え方が一つありまして、おとなしく、(▲8七)歩を打って受けると。
つ:あー。
解:もう一つは、角上がって(▲6六角)、引いてきたら(△5三角)、逆襲してしまおうという手(▲8四歩)もあります。
つ:はーはー。
解:これは、場合によって選びますけどもね。
つ:えー。
解:この場合は、つるのさんが選んだ歩(▲3六歩)からこの(2九の)桂を使うという手も、こうやって(▲3七桂)こうやったとき(▲4五桂)玉の頭を狙うから、これはこれで良かったんですが、角引いた時(△5三角)に、でしたら一回受けておいたほうが(▲8七歩)無難だったかもしれませんね。
つ:そこで、受けておくんだ。はーはー。
解:基本的にここまでこられてしまって(△8六歩)、大威張りはヤダと。たれ歩は嫌ですということですね。
つ:嫌です。
解:この場合、(後手側)イチ(8五の歩)ニ(5三の角)サン(8二の飛)対(先手側)イチ(8八の飛)ニ(7七の角)で数で勝っていないので、こうやって(△8六歩)こうなって(▲7八銀)しまうと飛車と銀が動きにくくなってしまうので、こちら(右桂跳ね▲3七桂〜▲4五桂)を狙うんでしたら、こちら(▲8七歩)は譲歩する。両方ともやらない方が良かった。無難でしたかね。
つ;なるほどねー。
解:歩打っておいて(▲8七歩)、次にこうぴょんぴょん跳ねる(▲3七桂〜▲4五桂)のを狙っておけば、これでしたら、角交換になっても、飛車が破られることは無いので、このほうが無難だったかもしれないですね。
つ:なるほどー。
解:本譜は当然これもね(▲3七桂)、やりたい手なんですけれども、突かれて(△8六歩)これが嫌な感じ(▲7八銀)。ちょっと嫌な感じしますよね。歩成りが嫌なので。
解:ですから、まー、思い切ってこういう手(▲4五桂)もありますけども、まー、ちょっとこれはやりにくいとして、しょうがないからこう(▲7八銀)ですけども、たった一歩で、飛車と銀が抑え込まれてしまったのは、気に食わないですかね。
つ:ですよねー。
解:たった一歩だけでこうなっちゃうので。
つ:めちゃくちゃでしたもんね。こっからぐっちゃぐっちゃやられちゃって。
解:まー、この後もいろいろあったんですけども(△4四角)、問題はこの後、金が上がって(▲4七金)、角が成って(△7七角成)、▲同桂で、角打たれて(△7九角)。
つ:もう最悪です。
解:角は必ず飛車取りに打ちます。持っている角は。まず飛車取りに打つ手から読みますので、角を持たれたら、まず、飛車取りに打つ手から読んでいくということになりますね。
解:本譜はこう打ったれて(△7九角)、(▲8九飛)成られてしまって(△6八角成)望みどおりの展開でしたからあんまりうまくいかない。ただ、この後少し、チャンスがありまして、角打った(▲6七角)後に、先にこうなった(△8七歩成)ほうがよりちょっと困るのですけれども、▲同飛ならば、△同飛成で▲同銀で馬で角が取れると。(▲同飛のところで)▲同銀でも、角が取れるとというところなんですけど、こっち取ったでしょ(△6七馬)。
解:▲同銀で歩成(△8七歩成)で、これでも良さそうなんですけども、この地点だけ少しチャンスがありましたか。
客:なるほど。

図2

解:これは、どうしてかと言いますと、将棋の一つにですね、飛車と飛車が向いあっていますと、間に駒があるほうが苦しいんですよ。実は。
つ:はーはー。
解:これ(7七の桂)取れます?このままですと。
つ:取れないですね。
解:(飛車が)取られちゃうでしょ。
つ:はい。
解:この飛車横に行けます(△9二飛)?
解:行けないですよね。(8七とが取られてしまう)、飛車とと金が金縛りになってしまう場合があるんですよね。
解:この時は、このままの関係にしといたほうが、良い場合があるですよ。
つ:はーはー。
解:実は、これ(7七の桂)取れないですよね。受けたつもりで歩打ったら(▲8五歩)とられちゃった(△7七と)。
つ:はい。
解:受けなければ、取られないというところで、こういう風な反撃(▲5五歩、△同歩、▲4五桂、△4四銀、▲5四歩)をしていったら、いかがだったかなあと。これならど真ん中へ。
つ:あー、そういう手があったんですかー。
解:ちょっと難しい話になんですけど、飛車と飛車が向かい合っている時、間に駒がある方が、実は動くの大変なんですよ。
解:こうやったので(▲8五歩)、気が楽になっちゃったんですね。
つ:あー。そっかそっか。
解:これで、いわゆるまむしのと金、成金になってしまったんですよ。
解:これが暴れまわったら勝てないですからね。
つ:なるほどねー。
解:歩を打たないでど真ん中を狙ってしまうのが勝負手でしたかね。
解:そんなところでしょうか。
つ:わかりました。岡田さんどうでしたかね?
客:いや、さすがにお強いですよ。
つ:何をいっているんですか。
解:駒組みは完璧でしたしね。あとは、ここでうまく反撃ができればというところですね。
客:堅い守りでしたからねー。
解:ちょっとこれに(後手玉の動きに)惑わされちゃった感じですね。
つ:弱い美濃囲いになってしまいましたけど最後にはねえ。