tsuruno
#25 △つるの剛士 vs ▲鳴島さん 88手まで つるの○勝ち(昭島市昭島の森カルチャーセンター内(将棋教室)棋譜再生
局中の解説(解説者 中川大輔七段)※解:解説者、井:井上ゆりな
 
解:今、鳴島くんが▲3五歩と、歩を突いたところなんですよ。
解:これは、この(4六の)銀で、角の頭を攻めていく手なんですけども、まず、居飛車側鳴島くんの方は、この角をどかせることによって、この飛車先(2筋)を破ることが出来るんですね。
解:その意味の▲3五歩なんですけども、そこで、つるのさん△4五歩と。これはね、非常に良い手なんですよ。
井:はい。
解:この歩(3五の歩)を取りますと、銀が出られまして、この3五の銀によって、角が攻められてしまうというので、この銀を出させない意味で△4五歩と。
解:で、鳴島くんは▲5七銀と引いたのですけど、これはちょっとね、元気がなかったかなあ。
解:えー、(ここでは▲5七銀ではなく)角を交換しまして(▲3三角成)、銀で取りまして(△同銀)、そして、こう取り込む(▲3四歩)。
解:銀取りなんですけども、自分も銀取り。で、銀で取り返しまして(△3四同銀)、ここで初めて銀を下がった方が良かったですね。
井:はい。
解:(つるのさんが)△4五歩と突いた手が非常に良い手で、ここで、鳴島くんひるんでしまったかも知れませんね。銀を引いたと(▲5七銀)。
解:ただし、角と角がにらみ合っていますから、必ず角が交換になるんですよ。
井:はい。
解:角が交換になるので、鳴島くんの方は飛車先を突破する手がありますので、つるのさんがこの後、どのようにして、2筋の突破を防ぐかというのが一つの見所ですかね。
井:はい。
解:この後楽しみですね。
局後の解説(解説者 中川大輔七段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(鳴島さん)
図1
図2

つ:いや、先生、ドキドキしましたよ、鳴島くんの手にはー。
解:そうですね。積極的でね。
つ:積極的な手でね、僕、こういうの弱いんですよ。(積極的に)こられてしまうタイプはねー。
つ:はい、鳴島くん、お疲れ様でした。
客:(礼)
つ:さあ、ところで今日は、先生が来られてますので、先生の講師を受けましょうか。
客:(うなずく)
つ:では、お願いします。
解:はい、わかりました。
解:では、つるのさんが今、△3四銀と歩を守って、上がったところなんですね。
つ:はい。
解:それで、鳴島くんは▲1五銀と銀を繰り出して2筋をやぶろうとしたんですね。
つ:これは、怖かったですね。
解:これは、なかなかいい発想なんですよ。ただね、もう一工夫ほしかったかな。
解:こう出た(▲1五銀)時に、つるのさんにこう角を打たれましてね(△3三角)。こう打った手がものすごく良い手でして、銀取りと、香取りの両取りになってしまった。これを打たれて鳴島くんが苦しくなっちゃったかな。
解:じゃ、銀が出ないでどう指せば良かったかというと、どう指せば良かったかな鳴島くん?今だったらどうやるかな?
つ:鳴島くんどうする。
客:1一に角を打つ(▲1一角)。
つ:これは、まずいねー。
解:うーん、それはねー、うーん相当良い手ですね。
つ:これは、やばいですよ。先生。
解:そうですか、この角の意味がわかりますか?
つ:これは、僕が角で受けても(△3三角)桂馬損しますからね。
解:そうですね。例えば、つるのさんが角で受けたとしましょうね(△3三角)。そうしますと、▲同角成、△同桂と桂を跳ばせて。
つ:もう、角打てません。
解:そう、そうしておいてから▲1五銀と出る。そうすると角打たれないから。その後に▲2五歩、△同歩、▲同銀又は▲同飛とか、2筋をこうガッと攻める。
つ:棒銀ですよね。
解:棒銀でね。行くことができたんですよ。
つ:なるほどー。
解:これ、ちょっと覚えていただきたいんですけども、振り飛車側から、こう角を打つ(△3三角、又は△4四角)、このライン(1一〜9九の角筋)に角を打つのは、すごく好手なんですね。
つ:はい。
解:いい手なんですよ。ですので居飛車側からは、そのラインに角を添えておく。▲1一角あるいは6六、7七どこでも良いので、このラインに角を先着しておくというのが、すごく大切なんですよ。
つ:なるほどね。
解:だから、今鳴島くんが言った、▲1一角はすごくいい手でね
解:これを実戦で指していたら、おそらくつるのさんも大変な苦戦に・・・。
つ:なったでしょうね。うん、いきなりてんぱってしまったでしょうね。
解:で、(図1から銀が)出ましてね(▲1五銀)角を打ちましたよね(△3三角)。もう、グイッと(▲2四歩)やりましたね。これは、いい手ですね。
つ:これも。
解:これね、△同歩と取った手はすごく良い手。
つ:あー、こうなったんですけど、取るしかしょうがなかったです。
解:そうですね、と金を作られるといけないので、一回△同歩と取って、▲同銀と出させてから、香車を取る(△9九角成)。
解:これはね、非常にすばらしい手順でしたね。
つ:あーそうですか。

図2

解:で、2筋を破ったんですけれども(▲2三銀成)。
つ:歩があったんですよね。
解:うん、これもね、本局で一番感心した手でしたね。△2七歩と打った手。
つ:あ、そうですか。
解:これも一応手順があって、二つ歩を打って(△2七歩、▲同飛、△2六歩、▲同飛)、で香車を打つ(△2五香)。うん、手順が鮮やかでした。
解:これで、飛車をどかしまして(▲1六飛)、銀をはずすことができましてね(△2三銀)。
つ:はい。
解:これで、2筋の脅威がなくなりましたので、つるのさんの方は銀得したと。
解:この後は、つるのさん危なげなかったですね。
つ:あ、そうですか。
解:非常にね。
つ:でも、ドキドキしたよ、鳴島くんねー。
解:うん、見ごたえのある終盤戦でしたね。
つ:ねーどうだった鳴島くん?
客:うーーーーん……(首を傾げる)
つ:悔しさいっぱいだよね。そりゃそうだよね。
つ:うん、わかるその気持ち、今までお兄ちゃんも散々味わってきたから。うーん夢にまで見るからね、今日ね。ほんと大変ですけどね。
つ:まーこんなことがあるから、勉強になると。
解:そうですね、どんどん強くなっていきますよ。
つ:そういうことですよね。
つ:うん、鳴島くん、これからも将棋続けていって下さい。そしてまた、お兄ちゃんと将棋指してください。
つ:ありがとうございました。
客:ありがとうございました。