tsuruno
#18 △つるの剛士 vs ▲坂井さん 123手まで つるの●負け(毎日コミュニケーションズ棋譜再生
局中の解説(解説者 野月浩貴七段)※解:解説者、井:井上ゆりな
解:現、局面がこれですね。(左図)
井:はい。
解:(出だしは)得意の三間飛車から、玉を囲わずに、果敢に攻めにいったんですけど、少し攻めすぎてしまったかな。
解:なんか、つるのさんが快調に攻めていたんだけど、勢いに乗って、攻めすぎてしまった感じもするのね。
井:へぇー。
解:別に、それが悪いというわけではないんだけれども。歩(3六の歩)で攻めているのに、角(3三の角)が上がって守ったじゃない。
解:角上がると、飛車の攻めが一回止まっちゃうから、これが(3六の歩)やりすぎているっていう可能性もあるのね。
井:そうなんですか。
解:なので、先手の坂井さんが、飛車のそばを攻められているところに金と銀、普通これ、王様の方に持っていって囲うんだけれども、
解:それをね、相手の攻めているところをしっかり備えているので、もしかしたら、受け止められてしまう可能性があるかな。
解:今、すれ違った時に、「よく分からなくなっちゃった」と、つるのさんがぶつぶつ、つぶやいていたので。
井:じゃ、今状況からしてどっちが。
解:形勢は差がない。差がないんだけど、つるのさんがうまく指さないと大変なことになっちゃうかもしれない。
井:あぶない。
解:うん、この局面は、飛車をどのように使うかっていうのと、この銀(3一の銀)をどうやって使うかっていうのが、非常に大事。
解:あと、先手のこの銀(4六銀)をうまくどかせたいというところ。
解:だから、この歩(4三の歩)の伸ばして、銀を動かさせるとか。なんかね、ちょっとした工夫が必要な局面かな。
井:はー。
解:うん。あとは、守りはしっかりしているので。あと、先手はこっち(右)に集中しているので、玉の守りが薄い。なので、なんか一箇所やぶれると、あっという間に勝てる可能性があるかもしれない。
井:じゃ、こっち側(先手側から左)を攻めれば良いですか。
解:うん。例えば、歩を突いているので、こうやって(△6五歩)、取って(▲同歩)、角交換して、あばれるとか。
解:つるのさん側から強引に攻めないといけない局面ですね。
局後の解説(解説者 野月浩貴七段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(坂井さん)
図1
図2
図3

つ:先生なんだか、最後は。
解:白熱した戦いでしたね。おもしろかったんですけどね。
つ:なんだか、詰むや詰まざるやみたいな形になっていましたけどね。
解:はい、この局面は、桂馬(▲8四桂)を打って、玉が逃げた(△8二玉)局面なんですけど。
つ:もうここまできましたか。
解:まず、坂井さんにチャンスがあったんですね。
客:はい。
解:どうですか、詰か、詰まないか。
客:うーん。読みきれなかったですね。
客:まず、桂馬打つ前に、なんかないのかなあと。香車でなんかないかなあと思ったんですけど。
解:ここは大チャンスでした。これは詰将棋の手筋で、捨て駒ですね。
解:(図1以下)金を打てば(▲8三金)よかったんですね。
客:えー!
つ:なるほど。
解:取る一手ですよね。で、銀を打って(▲7二銀)、(玉が)どこに逃げても、金打って(▲8三金)一手詰みですね。
客:なるほど。
つ:ほんとだ!
解:まず、最初の大チャンスでした。
客:香車がまず目に入ったですね。
解:香車を打った場合(▲8三香)、逃げられた場合(△9三玉〜△8四玉)にねー(詰まないですよね)。
つ:三手詰めですか。
解:一手(▲8三金)、二手(△同玉)、三手(▲7二銀)で、まあどこかにげられた場合は、5手詰めですね。
つ:なるほど。詰将棋の・・・
解:詰将棋、大事ですね。
つ:これ出ましたー。今回ねー。
解:そして、金(▲6三金)を寄ったと。

図2

つ:ここですね。
解:ここでつるのさんにチャンスがきたんですよ。
つ:手が回ってきましたか。
解:一番わかりやすかったのは、これ(6八の金)を竜でとっちゃう手(△6八竜)ですね。
つ:う、ぁ、ぁー
解:もう、思い切って。で、取りますよね。(▲同角)。
解:それで、(玉が)薄くなるじゃないですか。で、この時に桂馬が跳べるんですよ(△7六桂)。
つ:あっ、ここで王手があるんだー。
解:取ると(▲6七同銀)、銀がいなくなるから、飛車(△7八飛)打って簡単じゃないですか。
解:で、端に逃げても(▲9八玉)、(玉の)逃げ道が狭いのに、(つるのさんの持ち駒が)これだけ多いじゃないですか。
解:上に逃げ(▲7七玉)ても、こう銀打って(△8八銀)、桂馬を取って(▲7六玉)、頭金で詰む(△7五金)じゃないですか。
解:というのが、最初の詰み。
つ:えー、最初の詰み? まだあるんですか。
解:まだまだ。
つ:えー、僕は何個の詰将棋を逃したんですか。
解:何個でしょうね。
つ:何個の詰将棋を逃して負けたんでしょうか!
解:そうですね。ここ(図2)からは、一手指すごとに、二転三転しているんですよ。
つ:えー、そうなんですか。
解:飛車打ちました(△7八飛)。で、▲同銀ですよね。飛車はあまりよくない。これはあまりつまらない手ですね。
解:で、桂馬で取った(△同桂成)瞬間に、実際は、▲同金と取ったので、また詰む形になったんですけども。
解:実はこの瞬間に、酒井さん、これ手筋なんですけど、玉をここに逃げたら(▲9七玉)絶対に詰まない。
客:そうですね。
つ:あ、本当だ。
解:ていうのは、角と銀しかないので、王手するには、ここ(8八)か、ここ(8六)なんですけど、上に打っても、同歩、下に打っても、同角。
解:で、これ詰まなかったですよ。
つ:ほんと詰みませんね、これ。
解:ですが、▲同金と取っちゃったので、また詰む形になったんですね。
つ:おぉー。またチャンスがめぐってきたですね。
解:そう、だから一手指すごとにね。
つ:おー。クモの糸がまた降りてきました。
解:で、取りました(△同竜)。で、これも、▲同玉と取って。

図3

解:これも本当に詰将棋で、頭から銀(△7七銀)を打てば良かったですね。
解:で、取らせて(▲同玉)、角を打って(△6六角)から、銀で追えば、駒がたくさんあって、とどめの金がありますからね。
つ:あぁぁー。
解:詰んでたんですけど。まぁ、こっち(△6七銀)に打ったと、これでもまだ、詰んでいるですよ。
つ:まだ、あるんですか。
解:で、寄った時(▲8八玉)に、これ(△7八金)が、敗着でした。
つ:はぁー。
解:で、これで、寄られて(▲9八玉)、これで王手がかからない。
つ:これで、だめですね。
解:で、ここで(図3から、△6七銀、▲8八玉)、金をこちら(△7七金)から捨てるのですね。
つ:ほーほーほーほー。
解:これも、詰将棋なんですけど、取ると(▲同玉)、角(△6六角)打って一手詰め。
つ:あっそっか。
解:ですね。逃げれないですから。
解:で、逃げたとしても、この歩を取って(△8七金)。取れるっていうのが大事なんですよ。
解:で、取って(▲同玉)、頭に銀打つじゃないですか(△8六銀)。
解:角、一枚じゃ足りないように見えるんですけど、逃げますよね(▲8八玉)。
解:その瞬間、この桂(6四の桂)が、生きてくるんですよ。
つ:はっはっはっはっ。
解:ジャンプ(△7六桂)。
つ:これすごい詰将棋でしたね。
解:これで詰ましたら、かっこいいですね。
つ:かっこいいですね。
解:これいっきに四段ぐらい上げてもよかったかなあと。
つ:これ、ウルトラマン復活ですよね。
解:これね、途中で使った桂馬(6四の桂)をじょうずに使って詰ますという。
つ:これ、詰ましたらかっこよかったですけど、かっこわるかったですねー。最後ねー。
解:うん。最後、金打った(△7八金)時、「ありゃりゃのりゃ」って、どうしちゃったのって感じでしたけどね。
つ:どうしちゃったのって感じですけど。いや、今回の将棋はいろいろありましたけど、中盤、終盤いろいろありましたけど、最後は詰将棋の、お互い勝負になったんですね。
つ:でも、僕は、先に詰まされているわけですからね。
解:いやー、ハラハラドキドキして見ていました。
つ:いやー、坂井さん。さすがに週刊将棋、毎日毎日そういった将棋界のねっ、ニュースをみているだけありまして、さすがに。
客:いえー、お恥ずかしい限りです。
つ:何を言っているですか。
解:すばらしい将棋でした。