tsuruno
#15 △つるの剛士 vs ▲鈴木さん 110手までつるの○勝ち(関根名人記念館棋譜再生
局中の解説(解説者 藤倉勇樹四段)※解:解説者、井:井上ゆりな
解:えーと、つるのさんが銀を繰り出したところなんですが(△3五銀)。
解:この一手前のところで銀を上がらずに、角を一手動かしたとして(△4四角)。
解:(先手が)なにかやった時に(▲4七金など)、△1五歩と端攻め、棒銀をする狙いがありましてね。
解:▲同歩△同銀と銀を繰り出して、これ、取らないと、どんどん銀が出てこられてしまうので、取るしかないのですが(▲1五同香)、△同香と取って。
解:美濃囲いは横からの攻めは強いのですけど、端からは桂馬しかいないので香車取られてしまったら、薄いですよね。
解:まー、以下受けるならば、▲1七歩と受けるくらいなんですけど。
解:まー、△1四飛とかすると、(1七の地点に効いている駒は)3枚なので(1五の香、1四の飛、4四の角)、銀で受けたとしても(▲1八銀)、香車を利かされる(△1一香)と、4枚対3枚なので破られてしまいますよね。
解:まー、端を突き合っている形なので、こういう手もあったかなあと思います。あったというかこれを狙った方が良かったかもしれないですね。
解:えーと、つるのさん、銀があがったんですけど(△3五銀:図)、これはここから(4六へ)行く狙いですね。
解:まー、鈴木さん次に歩を取られてしまうとまずいので、受けるならば、角引くか(▲6八角)、一番普通にやるならば、金上がるですね(▲4七金:本譜)。
解:で、(つるのさんの方は)飛車と銀は攻めに使えているので、あと遊んでいる駒はこの2枚(2一の桂と2二の角)。
解:この角をこっち(△4四角)に使うのではなくて、今度はこっち(△1三角)に使うと。
解:で、次の狙いは△4六銀と歩を取る手ですね。
解:で、歩を取られてしまっては困るので、受けるなら、角を引くか(▲6八角)、まー、角を引いてくれたら、△3三桂と跳んでおいて、攻めは飛角銀桂で理想的な攻め方ですね。
解:で、次の△4四歩から△4五歩、▲同歩、△4六歩、以下▲4八金引、△4五桂とやると、こう流れるような飛角銀桂で攻め込むことができますね。
解:あと、補足するなら、ここで(図から、▲4七金、△1三角となったとき)▲6五歩と、(4六の)歩取りを放置して突く手もあるのですけど、これはやっぱり桂を跳んで置いて(△3三桂)、やっぱり△4六銀と取る手が残っているので、やっぱり守らなければいけない。
解:やっぱり角を引き(▲6八角)の展開になるか、銀を引いて(▲5八銀)守りに使って、飛車先を通すか。
解:まーいずれにしても、この段階ではつるのさんの作戦勝ちかなあと。
井:まだまだ挽回していくあれがありますからね。
解:要は終盤ですからね。
井:要はね。
解:要は、大逆転を何回も見てますからね。
井:はい。
解:期待したいですよね。
井:はい。がんばってほしいですよね。
局後の解説(解説者 藤倉勇樹四段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(鈴木さん)
図1
図2
図3
図4

つ:いやー藤倉先生。
解:おつかれさまでした。
つ:怖かったですよ。ずーと攻められていたので。
解:はい。
つ:これは、どうなるかと思ったんですけど、鈴木さん。
客:いやいやそんな。
つ:飛車が動きましたよね。結構。
客:はっはっはっはっ。
つ:いい感じに。
客:ちょっと無駄な感じで。
つ:いや、そんなことないですよ。どっから来るのかものすごく怖かったんですけど。
つ:ちょっと解説の方をお願いします。
解:はい。ここはつるのさんの銀が5段目まで出てこられたので、ここはつるのさんの作戦勝ちですね。
つ:おー。
解:飛車の前に銀が出てこれて、いつでも王様に対するプレッシャーがあるので、ちょっとやっぱり鈴木さん作戦負けぎみですね。ここは。
解:まー、金上がって(▲4七金)、桂跳んだんですね(△3三桂)。
解:跳んだんですけど、跳んだのは悪くないのですけど、突いた(▲6五歩)時に、こう2筋(の歩を)交換したんですけど、(そこで交換しないで)こう角が上がったほうが(△1三角)、次にこう△4六銀と歩を取る手があるので。
つ:あれっ、僕、ここどうしましたっけ。
解:2筋(歩)を交換したんですよ。△2六歩と。
つ:あっ、そっか、先にね。
解:で、(2筋の歩を)交換して(△2六歩、▲同歩、△同銀、▲2七歩、△3五銀)、銀上がって(▲6六銀)から、角上がった(△1三角)ので、引かれちゃう手(▲5七銀)を作っちゃったんですよ。
つ:あ、そうでした。この時どうしようかと思ったんですよ。
解:なのでちょっと損しちゃったんですけど、交換せずに角上がっておけば(△1三角)、ここ受ける手が角引き(▲6八角)しかないので。
つ:はっはー。
解:そうすれば、この嫌な角筋(1一〜9九)のにらみが無くなって、△4四歩から、こう自然に(△4五歩、▲同歩、△4六歩)攻めることができますよね。
解:で、引いて(▲4八金引)桂馬跳ぶという(△4五桂)。
つ:あっほんとだ。
解:この攻め、飛角銀桂の一番理想的な形ですね。
つ:なるほど。
つ:ちょっと順番を間違えてしまった。優先順位を間違えてしまったっていうことですかね。
解:そうですね。はい。
つ:うーん、これが将棋の難しいところですよね。
解:まー、遊んでいる角なので、2筋交換より先に優先すべきは、こう角を出る方だなあと。
つ:なるほど、大きく出たほうが良かったと。
解:そうですね。(2筋の歩を)交換して、銀上がられてしまった(▲6六銀)ので、この時(△1三角、▲5七銀)に(4六の)取りが間に合わなくなっちゃったと。
つ:(間に合わ)なかったです。
解:(▲5七銀の後、△1二香、▲7九飛となって(図2)、ここで△4四歩、△4五歩、▲同歩、△同桂と4筋を狙っておけば、例えば銀が動いた時(▲6六銀)に、この角(1三の角)のラインに飛車がいるので、例えば、△2六歩と打って、▲同歩、△同銀とやれば、飛車取りと攻める手(△2七歩)が二つ残っていたので。
つ:あ、ほんとだ。
解:△4四歩が急所ですね。4枚の駒の活性化させる為の急所の一手ですね。
つ:なるほどね。いやいやいやいや。
解:で、この後、飛車がすごくたくさん動いて。
つ:どっから飛んでくるかわからなかったので。
解:もう、びっくりするくらい動いていましたね。

図3

解:(本譜進んで図3、後手は△3一角と引いたが)つるのさんの角は、1三に居たいので、△3一角は避けたい。
つ:避けたいですか。
解:やっぱり、4筋から攻めたいところなので、こうやってしまうと、どうしても守りの方になってしまうので、ちょっとこれでいい勝負になりましたね。
つ:はい。
解:まあ、(△3一角以下、▲8九飛)、△5三金が力強い一手で、なかなか、普通は金寄って(△6二金左)守るところなんですが。
つ:攻めに行こうと思いまして。
解:△5三金で積極的でしたね。
解:ちょっと積極的過ぎて、こう攻めた時に(手数が進んで図4の局面)ですね。
解:角切り(▲7五角)を食らっちゃいましたよね。
つ:食らっちゃいました。これ、もう見逃しました、完全に。
解:これが、かなり痛くて。ここは、あっやっちゃったなと思って。
つ:あっまた、やっちゃったコールが聞けるわけですね。
解:ええ、ちょっと、絶叫がありそうだったんですけど。
つ:こだましましたね。関根名人会館に。
解:ええ。ここは、きびしいですね。つるのさん苦戦ですね。
つ:苦戦でした。
解:切りがすごい良い手で、切られるまでは後手が押さえ込みそうな感じだったんですけど、切って飛車走って(図4から▲7五角、△同角、▲6五飛)、鈴木さん優勢になりましたね。
つ:はい。
解:で、歩突いて(△7四歩)、歩打って(▲8四歩)、△同角で。
つ:そうなんですよ、成られたら(▲1六飛成)どうしようかと思ったんですよ。
解:ええ。成られていたらやっぱり苦しかったような気がしますねー。
解:もし成られてたら、つるのさんが嫌味をつけて△2六歩、▲同歩、まー以下△2七歩だったり、△2五歩だったり、まー△2七歩とすると▲同銀、△2五歩が普通ですか。
解:こう迫ってくるんですけど、ちょっとつるのさんの王様も気持ち悪くってですね。
解:(以下)▲7三歩と打たれると、△同桂は▲8一金で詰みますので、△同角くらいしかないんですけど、こう、▲8五桂と跳ばれて。
つ:あらー。
解:△8四角に。
つ:あ痛ーっ。
解:で、▲7三歩と。
つ:あー、これは痛かったですね。
解:これは、厳しいですね。
解:(以下)桂で取る(△7三同桂)と詰みなので、金で取るくらい(△7三金)なんですけど。
つ:これ参った!
解:▲7三同桂成と取って、△同角に、▲6三金のような手で。
つ:ふふふ、これは、参りましたね。
解:かなり厳しいですね。△2六歩の余裕がない。しかも、取られそうな桂馬(7七の桂)を使われるわけですから、すごい理想的ですよね。
つ:なるほどねー。