tsuruno
#14 ▲つるの剛士 vs △繁田さん 120手まで つるの●負け(道玄坂将棋クラブ棋譜再生
局中の解説(解説者 真田圭一七段)※解:解説者、井:井上ゆりな
解:えー、つるのさんの四間飛車対繁田さんの居飛車の戦いになりましたね。
井:はい。
解:これは非常にバランスの取れた戦いで、お互い良い形なんですね。
解:で、今ちょうどこういう形で、△6六歩、▲同金、△6五歩となった局面ですね(図)。
解:ここは、この局面がポイントというか、すごく手が広いんですね。つるのさんの方に。
解:たとえば、この(6五の)歩を金で取る(▲6五同金)。そうすると、金と銀と角の交換になったりします。
解:銀で取っても(▲6五同銀)、△同銀、▲同金で、やはり銀と角の交換になります。
解:さらに金を引く手(▲6七金)、これは穏やかですね。角だけが交換になります。
解:こっちに出る手もあるんですね(▲5五金)。これもここ(5五の地点)で(金と銀の)交換になります。
解:さらに最後は▲7五金と出る手もあります。
解:すごくつるのさんに選択肢が多いんですよ。
井:はー。
解:ですからここは結構悩むのではないかなあという局面ですね。
解:ただここで戦いが起こっても、お互いの陣形が非常にいい形なので、決着はいずれにしても終盤になります。
井:ほー。
解:だから、ここだけで、どっちかが良くなって、そのまま終わるという形ではないですね。
解:最後は、この玉対玉のスリリングな形になると思いますね。
解:繁田さんの方も75歳ということなんですけど、将棋は若々しくって、なんというか、つるのさんと熱戦を演じてくれそうな気がしますのでね。
井:はい。
解:ここからつるのさんがこの金銀(6六の金と5六の銀)をどちらに向かって使っていくか、非常に楽しみですね。
井:どこに使ってもいい?
解:そうですね。いい勝負になりますね。
井:おー。
解:非常に面白い。
井:じゃあ、反対に駄目なところはどこですか。
解:そうですね、将棋というのは玉に向かって行きたいので、こっちに出るような手(▲7五金)は、比較的悪い手になる可能性があります。
井:あー。
解:できれば、玉に近づける方向(▲5五金)に行った方が良い場合が多いですね。
井:なるほど。
解:えー、つるのさんがどう行くか悩みどころですね。
局後の解説(解説者 真田圭一七段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(繁田さん)
図1
図2

つ:先生ー!
解:ねー。
つ:ねー、途中詰んでましたよね。絶対に。
解:大逆転に次ぐ大逆転で。
つ:ねー! これ参りましたね。
解:これだけね、どんでん返しが繰り返される将棋はなかなか無いですよ。
つ:めずらしいですよね。
解:むしろ名局(迷局?)かも。
つ:僕も始めてかも。ハハハハ。こんなんなったのは。
解:ねー。これー最後の場面だけどね。
つ:はいはい。
解:これだけでも3回くらい逆転していたんですね。
つ:はい。
解:繁田さんも、(図1から)こう銀を打てば(△1三銀)。
つ:そうですね。
解:一手(△1三銀)、二手(▲2五玉)、三手(△2四銀)、四手(▲1四玉)、五手(△1三金)で詰んでましたよね。
つ:はい。
解:で、ね、ね、大熱戦でね。頭も疲れて、ここで(図1から)銀を打って(△9四銀)。
解:で、ここでつるのさんに大チャンスがきました。
つ:はいはい。
解:もう、銀がないから詰まない玉になって、金上がっておけば(▲7六金)、金寄り(▲8六金)が受からなかったんですけどね。
解:金上がれば簡単だったんですけど、歩成って(▲3三歩成)、まあ、これも(3二あるいは2二にある)金を取ればね、▲8六金と打ってね、詰むので、そんなに悪い手には見えなかったんですけど。
解:繁田さんの最後の勝負手というか、金は渡したんですけど(△3三同金、▲同香成)、歩で王手して(△1三歩)。
解:で、つるのさん逃げる場所は1箇所(▲2五玉)2箇所(▲1五玉)、2分の1。片方が天国、片方が地獄。
つ:こっち(▲2五玉)に逃げておけば良かったんですね。
解:こっちなら、今頃天国。
つ:今頃天国でしたよね。
解:ねー。もう王手が続かない。
解:角打っても(△1四角)、寄って(▲1五玉)詰まない。
つ:はい。
解:ところが、地獄コースになってしまいましたよね。
つ:地獄コースに真っ逆さまにいってしまいまいたよね(△1三歩に対して▲1五玉)。
解:繁田さん、すかさず角を打って(△2四角)、ぴったり詰みと(▲1五玉、△3五角成)。
つ:ハハハハ。
解:ね。
つ:これ痛いですよね。
解:みごとにやられてしまうというか。
つ:全然負ける気がしなかったんですけどね。最初の方ね。
解:はい。
つ:全然負けている気がしなかったんですよ。
つ:えー、これ勝ったなって思ったんですけどねぇ。
つ:これ1個詰みあったんですか。やっぱり。
解:ありましたね。
つ:ありましたよね。
解:(さかのぼって)1四に玉が居た時に(図2)、上から銀で抑える形にしておけばね良かったんですけど(▲1五銀)、こう逃げられてしまいましたからね(1四玉の位置から、9五玉まで)。
つ:もう、どんどんこっちのほうまで来て(△5七玉)、もう駄目だと思いましたからね。
解:うーん、ほんとに惜しかったですね。
解:これはね、ちょっと残念でした。
つ:今日はちょっと悔しくて寝れませんわ。
解:ハハハハ。
解:でも、繁田さん75歳大健闘といういい将棋で。
つ:ほんとにすばらしかったですよね。
解:ほんと、この将棋は見ている方も大興奮されたんではと思いますよ。
つ:ハハハハ。
解:はい。
つ:負けちゃしょうがないですよね。
つ:ほんと楽しかったです。