tsuruno
#13 ▲つるの剛士 vs △石岡さん 108手まで つるの●負け(御徒町将棋センター棋譜再生
局中の解説(解説者 真田圭一七段)※解:解説者、井:井上ゆりな
解:えー戦形は相振り飛車の戦形になりましたね。
井:はい。
解:相振り飛車というのは、同じ形にはならないんですよ。
井:そうなんですか。
解:ちょっとずつ形が違うので、この将棋はこの将棋だけという展開なんですけど。
井:ふーん。
解:そんな中で、今(図から)、△7四飛車と回って、この(7六の)歩を取ってやろうとしたんですね。
解:で、それに対して▲6七銀とつるのさんが引いたんですけど、この出た駒を引くというのは、非常に弱気でね、これちょっと、つるのさん危ないかなと思ったんですけど。
井:うん。 解:歩を打たれて(△4五歩)攻められたところから急に、野生本能が目覚めたのかね。
井:ハハハ。
解:人が変わったように、銀を出て(▲3七銀)、で飛車が回って(△3四飛)、一回金を締まった後(▲3八金)。
解:△4六歩に対して、▲同銀と出て、飛車を回らせて(△5四飛)、こっちの銀がぎゅっと出て(▲6六銀)、で歩を打つ手(△4五歩)に、銀が引けば穏やかなんですけど、ボンと前に出て(▲5五銀)。
井:出た。
解:さらにですね、飛車が逃げた手(△3四飛)に、こっちの銀もボンと出て(▲7五銀)。
解:この2枚の銀がグイッと前に出て、非常に野性的なね、攻めの隊形を作ったんですね。
解:相手の銀2枚と比べると、先手のつるのさんの銀2枚がいかに攻撃的に前に出ているか良く分かるんですね。
井:はー。
解:それでその銀をひっこめと歩を突いたんですね(△5四歩)。
解:だけれども、こっからね、つるのさんがこの2枚の銀を使って攻めきるか、それともね、これ押し戻されてしまうかという、こっからが非常に楽しみな展開になりましたよね。
井:はい。
解:ぜひ、2枚前に出て行ったね、この気合でこのままグイグイ
井:グイグイー。押して押して押して。
解:このまま押して、勝利をつかんでほしいですね。
井:じゃ、どっちが今あれですかね。
解:ここがちょうど、なんていうか決断の時で。
井:あーここが。
解:ここから何手か見ると、今日のつるのさんの勢いが分かるということなんですね。
井:まだまだですよ、でも。まだまだですよ。
解:うん、最後までこの銀2枚、前に出て行った気持ちを忘れないで戦ってほしいですね。
井:はい。
局後の解説(解説者 真田圭一七段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(石岡さん)
図1
図2
図3
図4

つ:先生。お疲れ様でした。
解:はい。どうも。
客:ありがとうございました。
つ:また、やっちゃいました。またまたこれねー。
解:いや良い将棋でしたよ。
つ:あ、そうですか。
つ:あ、どうですか。ここが一番迷ったんですけどね。(図1)
解:あ、はい。もう、出た以上ね、出た(▲4四銀)のは良かったです。
解:まー突いた時(△4六歩)に、引いた方がね(▲4八金引)。
つ:そうでしょうね。
解:(引いた方が)良かったんでしょうけど。
つ:寄っちゃったんですよ。
解:寄って(▲3七金寄)、△4五桂で弾みがついちゃったんですけど、ただ、この後非常に良い将棋になりましたね。
解:もう、こう(▲3五歩)突いたのは悪いながらもね最善手で。
解:まー、当然これ取りますけど(△3七桂成)、▲同桂と取って。
解:まーこれで飛車を引いておく手(△3一飛)もありましたね。このへん(3六)に空間があるので。
解:まーこれ決戦に行ったんですけど(△3五角)、これでちょっと激しい将棋になって(▲3五同銀、△3五同飛)、お互いにチャンスがね、いっぱい来る将棋になって。
つ:いろいろ増えましたもんね。
解:えー、角打って(▲4四角打)、飛車とこっち(6二の金)に利いてね。
解:こういう手(▲6四歩)が厳しくなるので、なかなかこれもね、(▲4四角打に△5五飛、▲同角上、△同歩)飛車角を持ち合って激しい将棋になってですね。
解:これなかなか良い将棋になりましたね。
つ:はい。
解:で、▲6四歩、△同歩で、こういう風にお互い持ち駒をたくさん持ち合った時は、ここで受けたんですけどね(▲4八歩)(図2)、こう手を戻してはいけない将棋だったんですね。
つ:そうですか。
解:うん、戻さずにこういう風に(▲6三歩)。
つ:あー一発。
解:えー、どちらかを近づけて(△6三金左)、こういう風に(▲6四銀)。
つ:出ると。
解:えー、攻めに加速度を付ける。
つ:なるほど。
解:えー、とにかく手を戻したら駄目です。
つ:はい。
解:ここ受けてもですね(▲4八歩)。やっぱりこういうところがね(△3六歩)、全部受からない。
つ:あー。
解:で、受けた分ちょっと(不利になってしまった)。
解:ただ、この後も桂を打って(▲5四桂)、なかなかお互いパンチを入れ合う将棋でね。
つ:はい。
解:なかなかスリリングになって、歩成って(△3七歩成)、▲同金で、石岡さんの方はおそらく、この後、この筋(△4九角)を早めに打てば、勝てたかもしれないですね。
客:あー。
解:以下こういうルート(△3六桂)が来ると。
つ:あー、きついなー。
客:あ、なるほど。
解:だったんですけど、やっぱり手が戻りましたね(▲3七同金の後、△5三銀)。
解:戻ったことでね、返って攻めに加速が付いちゃうんですね。
客:あーなるほどね。
解:えー、こう取られて(△6二桂成)、▲同銀上で、次の飛車(▲3二飛)もなかなか良い手なんですね。

図3

解:(4二にいた)銀がどいてしまったんで、(5二の金が)浮いてしまったんですね。
解:で、金を打って(△4二金打)、角成って(▲5三角成)、これはつるのさんすばらしい手です。
つ:あ、そうですか。
解:飛車を取れば(△3二金とすれば)、(5二の)金が取れますから、取るしかなくて(△5三銀)、でここで。
つ:ここからなんですよね。
解:飛車を切ったのが気持ちが良すぎましたね(▲4二飛成)。
つ:ハハハ。
解:(▲4二飛成としないで)これ(▲6四銀)。
つ:あっ一発出とくと。
解:えー。十分でしたね。
解:これ、飛車の縦が効いているので、取っているのでは(△3二金)、こういう風に(▲6三銀打)かぶせて行って、簡単に勝てるんですよね。
解:引いて(△6一玉)、こういう風(▲5三銀成)に行けばね、飛車も居ますしね、簡単に勝てる。銀を出ればおそらく、つるのさん快勝譜になってたかなあと。
つ:あー。またここで出ちゃいましたねー。
解:大チャンスを逃しましたね。
解:で、もう一つは、(問題の飛車を切った場面▲4二飛成で飛車を切らずに)こう成っておく手(▲3一飛成)もありました。
解:4、5筋は(二歩となるので)歩が利かないので、こう底歩(△5一歩や△4一歩)で受けられないので。
つ:そうですか。
解:で、飛車は自陣にも効いているから(3筋)。
客:そうですね。
解:成っておけばね、そんなに簡単に負けなかったと思うんですけど。
つ:はー。
解:(▲4二飛成と)取った手がね、あの悪い手ではないんですけど、この後、攻めを間違えられなくなっちゃいましたね。飛車を渡しちゃったのでね(△4二銀)。
つ:はい。
解:(相手に持ち駒を)これだけ渡しちゃったので。
つ:もう、怖くて怖くてね。
解:で、出た時に(▲6四銀)、石岡さんの△6二歩が勝着と言っていいですね。

図4

解:これで、どこを攻めたらいいのか分からなくなってしまった。
つ:もう、きつかったです。もう、歩を突く(▲7五歩)しかなかったです。
解:えー。これはね、実は、この形(△6二歩が△6三歩)だったら、取って(▲6三同銀)、△同金で、▲6一銀狙えますよね。
つ:あっはい。そうですね。
解:だから、そこに呼び込めば良いんですね。
解:ということで、ここに歩を打つような形(▲6三歩)。
つ:ぐがぁー。
解:取ってくれれば(△6三同歩)、いま言ったような形になりますね。
解:あるいは、とことん過激にこういう風にいっちゃう(△6二歩の後▲6三金)。
つ:過激ですねー。
解:過激にいっちゃって、(△6三同歩、▲同銀、△同金)で▲6一銀を実現させるんですね。
つ:なるほど。
解:で、駒は死ぬほど相手に渡っているので、そのかわり相手はこれで受けがなくなるんですよ(▲6一銀以下、△6二玉、▲5二金、△7一玉、▲6三飛成)。
つ:あっほんとだ。
解:ただ、その代わりね、これだけいっぱい渡しているので、あと詰まされたらごめんなさいということだけど、ただ拠点がないからね。
つ:ええ。
解:これ、いきなり詰ますのけっこう大変。
つ:そうですねぇ。ちょっといけそうですね。
客:なるほど、なるほどね。
解:だから、激しくいくなら最後までいった方が良かったですよね。
つ:なるほどー。
解:忙しい時に▲7五歩だったので、逆にこういう風(△4五桂)に攻められてからちょっとね。
つ:どんどんきちゃいましたからね。
解:辛くなってしまいましたね。
つ:はい。
解:でも、気持ちは入っていたので。
つ:あっそうですか。
解:良かったですよ。
つ:まーこの一発がね、最後やられてしまうんですよね。毎回毎回ね。