tsuruno
#12 △つるの剛士 vs ▲氏福さん 91手まで つるの●負け(棋友館棋譜再生
局中の解説(解説者 豊川孝弘 六段)※解:解説者、井:井上ゆりな
井:はい、ここからお願いします。
解:はい、今飛車が寄った局面ですね(▲3八飛)。
解:で、ここでね、つるのさんが引いたんですけど(△4二角)、これはね、弱気。
井:弱気?
解:うん、歩をたらす(△3六歩)、突く(△4五歩)、叩く(△3七歩)いろいろあったんですよ。
解:これ(△4二角)はね、良くない方に入る手。
解:で、出られてしまったんですね(▲4四角)。ボコンと。
井:はい。
解:そして、歩を打ちました(△3三歩)。
解:そしてこの手(▲3五歩)もあんまり良くなかったと思います。
解:まー実戦は(その後)銀引いて(△4三銀)、角引いて(▲8八角)、で飛車寄ったんですよ(△2二飛)。
解:うん、これ良い手ですよ。
解:で、これ氏福さんのこれが筋の良い手なんです(▲4五銀)。
解:これ狙いわかります?
解:飛車のコビンを攻めようとしているんです。
解:だから、これをつるのさんがこのライン(コビンの斜めのライン)をどうやって受け止めるか、ここが焦点。
解:これ黙って、こうなっちゃう(▲3四歩〜▲3三歩成)と、見て下さいこれ。この地点(3三)の枚数どっちが多いと思います?先手と後手?
井:先手?
解:すごいですね、感が良いのか強いのか。
解:ですから、こうなっちゃうとまずいので、これをつるのさんがどう受けるのか。だんだん持ち時間もなくなっていますし。
解:ゆりなちゃん、これどう受けます。
井:えー。
解:難しいですよ。
井:難しいですよ。
解:始まって以来一番難しい、これどうしましょう。
井:先生、わかんないです。
解:角を使ってみましょう。
井:角?
解:角を2つくらい動くといいかな
井:分かった。ここ?(△6四角)
解:強いね。これいい手。
解:で、▲3四歩と来たときに、△3二飛とやる。
解:ここが勝負どころ。ここで間違ったら奈落の底ですね。
局後の解説(解説者 豊川孝弘六段)※解:解説者、つ:つるの、客:お客様(氏福さん)
図1
図2
図3
図4

つ:いやー先生、氏福さん強いよー。
解:いやーほんと強かったね。お疲れさま。
つ:いやーほんと参りました。
つ:はい、この局面ですけど。
解:いま銀が出たところですよね。(図1)
解:これやれると思った? 氏福さん。
客:うー、うん。
解:うん、好調ですよね。
つ:うん、好調でしたね。
解:これピンチかと思ったんですが、つるのさん、ここからのしのぎうまかった。
つ:あーそうですか。
解:歩打ったんですね(△4四歩)。
つ:はい。
解:呼び込んで受ける。▲4四同銀、△同銀、▲同角。
解:でね、ここの後の3手2手がすばらしかったですよ。
つ:金上がったんですね。
解:金上がって(△4三金)、角引かせて(▲8八角)、デンと(△6四角)
つ:はい、出ました。
解:この構想良かったです。
つ:はい。
解:で、これもたぶんね、氏福さん歩を打ったでしょ(▲2八歩)。どうこれ、やれると思った?
客:うううん。あんまり。
解:ちょっと感触悪かった。
客:(うなずく)
つ:うーん。
解:ここね、こうやって(▲3四歩)勝負するべきだったかもしれない。
つ:だったらきついですねー。
解:でも、実戦はこう歩を打ちましたね(▲2八歩)。
つ:はい。
解:で、銀打ちました(△4九銀)。▲3九飛、△5八銀成でつるの絶好調になってきたんですよこれ。
つ:そう、調子良いなーと思っていたんですけどねー。
解:氏福さんピンチだった。危うし。
解:で、取りましたよね(▲5八同金)。で角成りました(△2八角成)。
つ:はい、成りました。
解:で、次の手がいい手で、決断でしたね。どうやったんでしたっけ?
客:(▲3四歩と指す)
解:強い! これも盤上この一手の勝負手ですよね。

図2

解:さー、ここ。ここでね、受けの良い手があるんですよ。
つ:受け?
解:受けの良い手。
つ:ここ、どうしようかなあと思って、飛車こっちに回るか(△3二飛)。
解:なるへそー。
つ:はい。
解:これも良い手ですね。で、こうやってくれれば(▲2二歩)、スピードが遅くなりますもんね。
つ:そうですね。
解:あっこれいい手ですよー。
解:あとね、もう一コ渋い手あるんですよ。大山十五世名人ばりの手。
つ:受けの?
解:受けの。秘手。
つ:なんだ?
解:まー大した手ではないちゃー大した手ではないが、いや、でも秘手ですね。
つ:ここか(4四)。ここにいくか。
解:あっ強い!!
解:氏福さんこの手読んでた(△4四歩)?
客:うーん、わかんない。
解:わからない、だいたい強い人は、プロでも丸山くんとかみんな「わからない」って言うんですね。
つ:あー。
解:丸山元名人とかね。だから歩(△4四歩)が良かったかも知れないです。
解:でも実戦は、(図2の後)べちゃっと(△3八金)。
つ:ほんとべちゃっと。
解:いやー、これは良かったんですよ。
つ:べちゃっとしましたよこれ。
解:(以下▲3三歩成、△同桂、▲3八飛、△同馬)。これで勝ったかと思ったんではないですか?
つ:これで来たと思ったんですよね。オッて思って、調子いいぞと思って。こっから早かった。
解:(▲3四歩として図3)早かった。さーその原因はなんでしょう?

図3

解:(以下)取ったので(△3四同金)、▲3五歩で早くなってしまったんですね。
つ:そうですね。
解:ここで(図3から)やっぱり、例の手があるんですね。
つ:例の手がある?
解:一回辛抱。
つ:一回辛抱。飛車を3二に回る。
解:あっこれも良い手ですね。
つ:どうですかねこれ?
解:いやこれ良い手。これも良い手だし、これからもう一個、さっきのね。
つ:あー、もう一発、歩で受けておく(△4四歩)。
解:そう、ここ(△3二歩)じゃなくて、ここ(△4四歩)に打つのが蟹みそ。
客:ふふ。
つ:蟹みそですねーこれ。
解:これで止めて、後の飛車(打ち)をちょっと楽しみにするという。
つ:ふんふんふんふー。
解:実戦は取ったんですね(△3四同金)。
解:こっから早かったですね。
つ:はやかったですね。
解:氏福さん強い!
つ:歩打たれて(▲3五歩)。
解:光速谷川浩司。
客:ふふふ。
つ:もう、困りましたもん。
解:で、もう青野取るイチ(取る一手と青野照市九段を掛ける)。青野先生すみません。
つ:へへへ。青野取るイチ。ふふふ。
解:で取って(△3五同金)、で成って(▲3三角成)。
つ:もう、青野取るイチでしたよねこれね。はい。
解:でね、つるのさん、こういうところも勝負術で、遠くに(1二とか6二とか)いっちゃうという手もあったと思います(本譜は△5二飛)。
解:ただ、これ寄せが早かったですね。
つ:僕もここから攻撃を掛けようと思ったんですけど無理でしたね。早すぎてね。
解:氏福さんの攻め早かったね。(△5二飛の次)どうやったんでしたっけ?
客:桂を(▲4四桂と指す)。
解:強い。ど急所でしたよね。で、こうやって(△5三飛)。
つ:ど急所ですわ。
客:(▲4二馬と指す)。
解:うーん強い。
つ:あー怖かった。
解:で、飛車回って(△2三飛)。
客:(▲5二桂成と指す)
解:で取ったんですね(△同金)。
つ:取りました。もう辛抱たまらんということで。
解:で、▲同馬に。退かぬ手、勝負手でしたね(△6四桂)。勝負手でしたけど。
客:(▲6二馬と指す)
つ:もうね。早かったですね。

図4

解:これ最後の勝負どこでした。
つ:はい。
解:(△2一飛と指す)。
つ:ですよね。
客:ふふふ。
つ:これをねー、ちょっと飛車が遊んでいたので、どこに回ってこようと思っていたんですけどね。
つ:あーこっから(図4から)はもうぼろぼろでしたね。
解:いやー、ちょっと勝ち味ね、(図4の後、本譜は)これ使っちゃったので(△4一飛)。これどう?氏福さん。
客:(持ち駒の)飛車使わない方が。
解:良かった?
つ:だよね。
解:で、まー強かったですよね。氏福さんね。
つ:もう、しょうがないなーって感じでしたよね。
解:ぜんぜん3級ってことはないね。
つ:いやいやいや、今回やばめでしたよね。
解:うん。つよい。
つ:この歩(4四歩)が肝でしたか。
解:うん、4筋の細かい折衝、これつるのさんの弱点かもしれないね。
つ:ですよね。今まで数々の先生方にも言われてきたんですけどね。どうも、進歩しないですよね。これね。
解:はい。
つ:これはもう先生、降段じゃないですか。僕。
解:うー……ん。降級があったら降級でもいいかなと思っちゃっているんですけど、今回はちょっと、不出来でしたよね。
つ:悲劇でしたね。
解:それだけでもね、氏福さんが強かったです。(初段に降段)
つ:うーん。僕ね、お子さんとかわい子ちゃんには弱いんですよ。
つ:ほんと参りましたよね、今日ね。
つ:途中まではいいとこまで来た感じがしたんですけどね。
つ:いや、ほんと勉強になりました。
つ:いや強い。是非また指してください。これからも将棋がんばってください。
客:はい。
つ:ありがとうございました。
客:ありがとうございました。